7割読めたらサイを投げよ!――「七放五落十二達」の法則(3/3 ページ)

» 2010年11月10日 08時00分 公開
[村山昇,INSIGHT NOW!]
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ゼロをイチにさえすれば、やがて百にも千にもなる

 勇気と夢、志を持って自分試しを敢行した人たちの経験によると、「十二達」の丘に到達した時、過去のことがすべて必然性を持ってつながってくるといいます。過去に何気ないところで得ていた技術や知識、人脈、そして雑多な経験や失敗などが、あたかも今抱いている夢や志のためにあったのかと思えるのです。

 「先が読めないから行動できない」というのは言い訳です。まずは行動してみないから、先が見えてこないだけの話です。ヒルティは『幸福論』で次のように書いています。

 「まず何よりも肝心なのは、思い切ってやり始めることである。仕事の机に座って、心を仕事に向けるという決心が、結局一番難しいことなのだ。一度ペンをとって最初の一線を引くか、あるいはくわを握って一打ちするかすれば、それでもう事柄はずっと容易になっているのである。……だから、大切なのは、事を延ばさないこと」

 同様にノーベル化学賞を受賞した福井謙一博士は『哲学の創造』の中で、「まったく新しい学問というのは、論理によらない直観的選択から始まる場合が多い。だから着想を持ったら、ともかく荒っぽくてもいいから実験を始めること。そうすれば試行錯誤の中で正しい結論が裏付けられていく」と語っています。

 何かの状況を前に、グズグズ、ウジウジ躊躇(ちゅうちょ)して、「ああなったらどうしよう、こうなったらどうしよう」と悩んでいる状態は気持ちが悪い。どうせ悩むのであれば、何か事を行って、その展開の上でどうしようかと悩むほうが、悩みがいもあるし、第一気持ちがすっきりする―――そう思いませんか。

 本田宗一郎は「やりもせんに」と言いました。

 鳥井信治郎は「やってみなはれ」と言いました。

 そして、ナイキのブランドメッセージは「Just Do It !」。

 サイを投げよ! すると先が見えてくる。腹が固まってくる。(村山昇)

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