携帯電話の普及によって、最近では腕時計を身に着けない人も増えてきたようだ。それでも、人々の腕時計に対する思いはさまざまな形で残っているのではないか。
正確な時間が分かればそれでよいという人がいる一方で、男性にとって数少ないファッションアイテムの1つとしてセンスを発揮している人もいる。あるいは、趣味のためのコレクションアイテムとして腕時計と付き合う層もいるだろう。
今年6月に、制定90年を迎えた「時の記念日(6月10日)」にちなみ、日本最古の時計である漏刻から最新の電波時計まで、ゆかりの場所を訪ねた。
→1秒を決める国内唯一の機関――情報通信研究機構(NICT)
実はこのとき、「趣味の腕時計」への扉を開くにはどうしたらいいのかという疑問を抱き、香川県高松市まで足を伸ばしていた。高松にある高級時計専門店「アイアイイスズ(EYE EYE ISUZU)」の飯間康行社長を訪ねるためだ。
アイアイイスズは、香川県下に4店舗を構える日本屈指の高級時計専門店。腕時計専門誌をめくれば同店の名前をたやすく見つけられる。ロレックスやオメガ、カルティエといった超有名ブランドはもちろん、A.ランゲ&ゾーネ、ブライトリンク、パネライなど、人気高級腕時計ならばほとんどのブランドを取り扱っている。
飯間社長の腕時計への熱意は高く、フランク・ミュラーやロジェ・デュブイなどは国内で流行する前から独自に公認正規販売店契約を結ぶといった具合だ。インタビューは、「アイアイイスズ壱番街」店のリニューアル前日というタイミングで、多忙を極めておられたにも関わらず、気さくに答えていただいた。
――趣味のための腕時計を購入するきっかけとは何でしょうか?
飯間 きっかけは千差万別だと思う。時計に何を求めているのか……、例えばスポーツをするときに使うのか、気張らないけどオシャレなものなのか、それとも「やっぱり機械式時計だよね」と思うのか。初めて買う人は、自分が何を求めているのかさえ明確にしていれば、良い時計に出会えますよ。
それに時計専門店ならば、いや、だからこそかな。お客さんの求める腕時計を提案できます。例えば、スポーツならばG-SHOCK、気軽なオシャレならスカーゲン、機械式の入門ならオメガやブライトリングといった具合に。価格は関係ないんですよ。その人が希望する価格帯を教えていただければ、そのなかで、使い方に応じて最高のものを提案できる自信があります。
――そうはいっても、趣味としての腕時計の世界の入り口に立ったばかりで、漠然とした気持ちの人もいると思うのですが?
飯間 そういうお客さんも多く来店されます。ほとんどの場合、最初は自分で分からなくても、店員との会話を通じて自分がほしい時計が明確になってくるんです。
例えば、社会人になるから時計がほしいとか、本や雑誌で見た時計がかっこよかったからとか、来店される理由はさまざまです。そういうちょっとした会話のなかから、「きっとお求めの時計はこういうのではないですか」と。
アイアイイスズでは、自分たち店員がほしいと思った腕時計しか並べていません。だから、どれをお買い上げいただいても満足していただける自信がある。コンシェルジュのように、希望をお聞きしたら、こちらからいくつかの選択肢を提案して、最終的にはお客さまの好みで決めていただいています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング