中国金融引き締めを受けて上値も重い清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年11月22日 08時49分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>11203.55△22.32

<NASDAQ>2518.12△3.72

<為替:NY終値>83.5-83.56

好決算などに反応して堅調だが中国金融引き締めを受けて上値も重い

 前日の引け後にパソコン大手が予想を上回る決算を発表したことや、大手化学株への投資判断引き上げなどもあり、引き続きドル安効果、金融緩和効果からの企業業績の回復を織り込むように堅調となりました。ただ、中国人民銀行の預金準備率引き上げが発表されると中国景気拡大鈍化懸念、そしてそれに伴う商品相場の下落もあり、一時軟調となる場面もありました。それでも週末の持ち高調整の買い戻しも入って、指数は小幅高となりました。

 週末ということで動きにくかった面もありますが、これまでドル安効果で新興国の景気拡大の恩恵をしっかりと受けて、企業業績の回復が見られていたと思われるだけに中国の金融引き締めそしてそれに伴う商品相場の下落は気になるものと思います。ただ、それよりも、目先的には今週末から始まるクリスマス商戦の動向が気になって来ると思われます。ドル安効果や金融緩和効果での企業業績の回復がどこまで個人レベルまで浸透しているのかを見るうえで、クリスマス商戦は気になるところで、足元の好調な企業業績を受けて堅調な相場ではあるのですが、今後は個人消費動向に右往左往することになるのでしょう。

 個別には前日引け後に発表した決算で1株利益が予想を上回ったことが好感されてデルが買われ、連れてHP(ヒューレット・パッカード)やIBM、インテルなどハイテク銘柄の一角が堅調となり、投資判断の引き上げがあったデュポンも高くなりました。週末の買い戻しも見られ、商品相場が軟調となったのですが、エクソン・モービルやパブリック・ゴールドなどは堅調、アルコアも横ばいとなりました。景気敏感銘柄も堅調なものが目立ち、キャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)などは高く、ホーム・デポやウォルマートなど消費関連も堅調でした。JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなど金融株は総じて軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株高や円安を受けて買い先行となったものの、週末ということもあり、手仕舞い売りやヘッジ売りに押されて上げ幅縮小、かろうじて前日の終値を上回り小幅高となりました。為替も円高に振れる場面もあるなどまだ不安定で、早めの手仕舞い売りも多かったものと思います。外国人も買い越し基調ということで、底堅さも見られたのでしょう。売り急ぐ動きもなく持高調整の売り買いが中心となっていたものと思います。

 米国市場が堅調、為替も落ち着いていることから、底堅い堅調な展開が期待されます。日経平均の10000円水準を固めるように、割安感が強い銘柄を中心に底堅く、堅調な地合いとなるものと思われます。中国の金融引き締めの影響も懸念されますが、ある程度織り込まれていたものと思われ、中国関連銘柄とされる機械株なども特に売り込まれるようなこともないと思われます。引き続き、円高継続を前提として下期収益を慎重に見ていたハイテク銘柄などの割安感、出遅れ感が強い銘柄は堅調となるものと思います。

 日経平均の心理的な節目である10000円水準を保てるのかどうかが注目されますが、日本株の出遅れ感もあり10000円台を固めるものと思います。飛び石連休の谷間ということで動きにくいのでしょうが、足元の円安傾向と日本株の出遅れ感もあり、10000円を大きく割り込むところまで売り込み難いと思います。目先的には10200円〜300円水準、6月高値水準を目指すことになるのでしょうが、その前の10000円台固め、ということになりそうです。

本日の注目点

◇10月のスーパー売上高(日本チェーンストア協会、14:00)

◇10月の主要コンビニ売上高(日本フランチャイズチェーン協会、16:00)

◇金融取が日経平均などを対象とする株価指数証拠金取引「くりっく株365」を開始

◇2年物米国債入札

◇コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演

◇10月の香港の消費者物価指数

◇海外8−10月期決算:アナログデバイセズ、HP

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