1時間講演することを目標に学ぶ――スター社員の仕事術(1/2 ページ)

» 2010年11月24日 08時00分 公開
[今野誠一,INSIGHT NOW!]
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今野誠一(いまの・せいいち)

マングローブ社長。組織変革と、その担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。そのかたわら、経営者コミュニティサイト「MG-NET+(マグネットプラス)」編集長として経営者同士のネットワーク作りにも取り組んでいる。著書に『マングローブが教えてくれた働き方 ナチュラル経営のススメ』(ブルース・インターアクションズ)。


大前研一著『サラリーマン・リカバリー』

 大前研一氏が『サラリーマン・リカバリー』という本の中でこう書いていました。

 「私自身の勉強法は、1年に1つテーマを決め、新しいことにチャレンジするやり方だ。そして、そのテーマで必ず本を書くことを目標にして、ノートを作りながら勉強している。(中略)他人に分かるように書いてみることで頭の中が整理され、知識が知恵になっていく。自分できちんと理解しなければ書けないし、ましてや人には教えられないからである」

 思い付きで何かをちょっとかじってみたり、たまたま人に勧められた本を読んだり、仕事の必要に迫られて調べ物をしていたりするだけでは、まとまった知識にはなりません。テーマを持って学ぶことが大切です。

 3カ月ごとでも、半年ごとでも、1年ごとでも、タームは自分なりで構わないので、定期的に学びのテーマを決めて、学び計画を持ちましょう。「今のあなたの学びのテーマは何?」と聞かれて、すぐに答えられない人に将来の成長はないと思ったほうがいいでしょう。

1テーマ1時間喋れることを目指す

 もちろん、大前氏の言う「1年1テーマを決め、本を書くことを目標に学ぶ」というのは、誰でも真似できることではないですね。

 また、この驚異的な変化のスピードの真っただ中にいては、1年1テーマでは間に合わないかもしれません。まして若手社員の立場では、学ばなくてはいけないことは山ほどあるでしょう。「本を書くのを目標にする」というのはハードルが高いです。

 そこで「半年1テーマを決め、1時間の講演ができることを目標に学ぶ」というのはどうでしょう。もし仮に、会社に入社してすぐにこれを始めたとしたら、3年間で6つのテーマについて学び、それぞれ1時間(30分でもいいと思います)の講演ができるようになっているという目標です。

 大前氏の言葉を繰り返しておきましょう。

 「他人に分かるように書いてみることで頭の中が整理され、知識が知恵になっていく」

 「自分できちんと理解しなければ書けないし、ましてや人には教えられないからである」

 アウトプットを意識して学ぶことがとても重要だということです。

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