“リアルな予行演習”を危機管理に生かそうちきりんの“社会派”で行こう!(1/3 ページ)

» 2010年11月29日 08時00分 公開
[ちきりん,Chikirinの日記]

「ちきりんの“社会派”で行こう!」とは?

はてなダイアリーの片隅でさまざまな話題をちょっと違った視点から扱う匿名ブロガー“ちきりん”さん(Twitter:@InsideCHIKIRIN)。政治や経済から、社会、芸能まで鋭い分析眼で読み解く“ちきりんワールド”をご堪能ください。

※本記事は、「Chikirinの日記」において、2007年8月1日に掲載されたエントリーを再構成したコラムです。


 物騒なことが多い昨今、しばしば危機管理の必要性が叫ばれます。危機管理の方法は大きく分けて3つあります。

(1)対応動作を決めておく。

(2)予行演習をしておく。

(3)保険をかけておく。

 (1)は「危機管理マニュアル」を作り、組織内で共有することです。自治体は台風や地震など災害時の対応マニュアルを持っているし、国際的な企業は、支社や工場がある他国で政変が起きた場合や、ストライキなど労働争議に備えた対応マニュアルを用意しているはずです。空港や軍隊には、テロを想定しての非常時マニュアルがあるでしょう。

 (2)の予行演習の典型は防災訓練です。オフィス街のビルでは、防災放送があってもまったくPCから目を離さず、訓練に参加しない人もいますが、あれは一度は体験しておくべきです。

 確かに「火事の訓練です。エレベーターを使わずに避難してください」と言われても、高層階から階段で降りるのは体力的にも大変だし、仕事も中断されてしまいます。でも、一度やっておくと、非常階段の場所や、降りるまでにかかる時間など、さまざまなことが学べます。会社は多くの人にとって最も長い時間を過ごす場所ですから、毎年とは言いませんが一度は参加しておくことをお勧めします。

 (3)の保険。1つは、分散や重複設備によりバックアップする方法です。例えば、緊急通信用の機器や金融機関のホストコンピューターは、1カ所ではなく複数地域に設置されているし、防衛関係や病院など特定の施設では通常の電力施設以外に自己発電施設を備えています。

 また役員全員の出張が必要な場合、異なる飛行機に分散して乗るのも万が一に備える方法です。もちろん文字通り「損害保険をかける」という備え方もあります。

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