通常の路線バスの燃費が30〜40リットル/100キロメートルとされるなか7700ハイブリッドは平均で26.7リットル/100キロメートルを実現しているから、単純計算で約30%の燃費向上だ。乗客1人当たりのCO2排出量は走行1キロメートル当たり20グラムと、ハイブリッド乗用車のおよそ20%に抑えられる。
現在、7700ハイブリッドはスイス、ルクセンブルク、ロンドン、スウェーデンなど欧州各地で約40台が運行し、例えばスイス・ポストでは実験的に同車を運用している(スイス・ポストは郵便業務だけでなく路線バスも運行)。この路線は長さ14.6キロメートル、標高差260メートルで平均走行速度は30キロ。同路線で使用している通常の路線バスの燃費が100キロメートルあたり 35.8〜40.6リットルなのに対し、7700ハイブリッドは28.6リットルである。
7700ハイブリッドはすでに実績を積んでおり、経済性の面でも十分魅力あるものになっている。IAA2010の担当者によれば、通常の車両に比べ価格は高いものの燃費が30%向上するので、10〜12年程度で価格差分を取り戻すことができる。長期的にみてディーゼル価格は上昇が見込まれるから、燃費向上のメリットは今後より大きく響くことになる。
長さ×高さ×幅:12.0×3.2×2.6メートル
重量:18トン
定員:95名
ディーゼルエンジン:Volvo D5F
ディーゼルエンジン出力:215PS/800ニュートンメートル
モーター/発電機出力:160PS/800ニュートンメートル
メルセデス・ベンツはすでに40年前からハイブリッド・コンセプトのバス開発を始めており、1969年開催の国際モーターショーには全長11メートルの実験用EV路線バス「メルセデス・ベンツ OE 302」を出展している。
日本では馴染みが薄いが、メルセデス・ベンツはバスやトラックといった商用車の生産も手掛けており、ドイツならびに欧州における主要メーカーの1つである。同社が現在生産している路線バスは「Citaro(シタロ)シリーズ」と呼ばれ、2008年には実用的なハイブリッド路線バス「Citaro G BlueTec-Hybrid」のプロトタイプが完成している。
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