ボルボとベンツに見る、ハイブリッドバスの未来松田雅央の時事日想(4/5 ページ)

» 2010年12月09日 08時00分 公開
[松田雅央,Business Media 誠]

ゼロエミッション

 水素タンクは車体前方の屋根上に設置し、バッテリーシステムはそのすぐ後方、燃料電池ユニットは車体後方の屋根上に設置され、駆動モーターは左右の後輪それぞれに直結している。水素タンクは容量205リットルを7本搭載し総容量は1435リットルで、1回の補充で約250キロメートルの走行が可能だ。夜と昼に水素を補充すれば、路線バスとしてほぼ1日中走行できる。

長さ×高さ×幅:12.0×3.4×2.6メートル

重量:18トン

定員:76名

水素タンク容量:1435リットル(350気圧)

走行距離:約250キロメートル

燃料電池出力:120キロワット(コンスタントな出力)/140キロワット(最大出力)

バッテリー:リチウムイオン

モーター出力(計2基):各60〜120キロワット

システム概念図(出典:Der Citaro FuelCELL-Hybrid)

 ディーゼルエンジンを使わず水素燃料電池を使用するため、排気口から排出されるのは水(水蒸気)のみであり、完全な「ゼロ・エミッション」を達成している。CO2排出削減に積極的に取り組むハンブルク市などで実用実験を行っているようだ。

 完全なゼロ・エミッションはメルセデス・ベンツが追い求めているこだわりのコンセプトだが、普及に先立ちクリアしなければならない課題も多い。

 まず水素ステーションの設置が1つ。路線バスの場合、基点となる操車場に1カ所設置すれば済むことではあるが、それでもディーゼルを使用するハイブリッド路線バスはその投資が全く必要ないから、比較するとやはりハードルは高い。

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