ボルボとベンツに見る、ハイブリッドバスの未来松田雅央の時事日想(3/5 ページ)

» 2010年12月09日 08時00分 公開
[松田雅央,Business Media 誠]

 これはディーゼルエンジンを発電にのみ利用し、駆動はモーターで行う「シリーズ方式」だ。純粋なEVだと「充電に時間がかかりすぎる」「大容量のバッテリーが必要になる」といった問題があるが、シリーズ方式はディーゼルエンジンを使うことでそれをカバーできる。通常の路線バスに比較して燃費はおよそ30%向上する。

長さ×高さ×幅:17.9×3.3×2.6メートル(連結バスタイプ)

重量:19トン

定員:132名

ディーゼルエンジン:OM 924 LA

ディーゼルエンジン出力:160キロワット

バッテリー:リチウムイオン

モーター出力(計4基):各60〜120キロワット

 ただしシリーズ方式は出力制御が容易でトランスミッションが不要といった利点がある半面、ディーゼル車とEVの両方のシステムを載せる必要がある。また熱エネルギーのロスがある点もデメリットだ。

 そのためメルセデス・ベンツはディーゼルエンジンの代わりに水素燃料電池を搭載したハイブリッド路線バス「Der Citaro FuelCELL-Hybrid」の開発を進めている。同社はこれまで継続して水素燃料電池の研究開発に取り組んでおり、IAA2010に出展されていたのはこのタイプだった。

実験用EV路線バス「メルセデス・ベンツ OE 302」(1969年、出典:Der Citaro G BlueTec-Hybrid)
水素燃料電池ハイブリッド路線バス「Der Citaro FuelCELL-Hybrid」

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