消費者金融が、“イジメ”られている理由ちきりん×磯崎哲也のマジメにおちゃらける(4)(3/4 ページ)

» 2010年12月14日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
写真と本文は関係ありません

磯崎:僕もブログで、改正貸金業法については何度も書いてきました(関連リンク)。しかしお金を貸すということについては世界的に見ても見解が大きく分かれます。例えばイスラムではリースなどはあっても、業者が利子をとるという行為がダメ。一方、米国ではペイデイローンというものがあります。給料前に小切手を切ってお金を借りて、給料日にその小切手が口座から引き落とされるというシステム。このペイデイローンの利息を計算すると、年率300〜400%ほどになる。だけど年率360%で10万円借りても、次の給料日までの2週間程度だと、1万5000円ほどにしかならないわけです。高いっちゃ高いが、これで自己破産しないといけなくなるわけではない。

 日本でも1980年代に消費者金融が社会問題になる前は金利が高かったんですよ。年100%以上ありましたから。しかし“サラ金問題”などがあって、金利は40.004%から段階的に引き下がり、改正貸金業法が施行される前には29.2%まで下がっていた。なので昔ほど金利の恐さはない。

 大手消費者金融は上場しているし、貸金業者としての登録もしているので、営業を行う上できちんとしたコンピュータでの審査システムやマニュアルもある。ルールはあったのですが、厳しいノルマが負担になっていた現場の営業マンもいたかもしれません。

 貸金業者のビジネスモデルの本質は、違法性のある取り立てそのものだと思ってる人も多いかもしれませんが、私はそうではなかったのではないかと思います。違法ともいえる行為を繰り返していたのは少数の従業員だったはずですが、マスコミが報道することによって評判が悪くなりました。

ちきりん:確かにその通りですね。

磯崎:現代社会における金融業は、ルールを守るだけでなく、社会の役に立っている側面を強調しなければ社会的に生存が許されない事業になっていたということかもしれません。例えば“原子炉から放射線が漏れる”くらいに、気をつけて。

ちきりん:そこまで極端じゃなくてもいいんですが(笑)。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.