大企業が社員のクビを切れば、“いいこと”もあるのではちきりん×磯崎哲也のマジメにおちゃらける(7)(3/3 ページ)

» 2010年12月24日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
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磯崎:銀行員や証券会社の人というのはツブしが効く方だと思います。しかしJALの人たちが散っていって、どうなったかといえば……そこはなんとも(汗)。

ちきりん:ハハハ。米国は大企業がどんどんリストラをする。しかも優秀なSEを大量に抱えているIBMやAT&Tのような企業が、平気でリストラをする。これは起業社会にとって大きなプラスでしたよね。

磯崎:僕は銀行員ではなかったのではたから見ていただけでしたが、長銀はよく言えば少数精鋭で、教養溢れる人が多かったですね。悪く言うと、イケてる人が狭いところで閉じ込められて「船頭多くして……」になっていた。元長銀の人の中には「世の中に散ることができて良かった」と思っている人も多いのではないでしょうか。

ちきりん:少しずつですが、そうした現象は増えていくと思いますね。

 もし私が男性であれば、ずっと大企業に勤めていたかもしれないとよく思うんです。私の世代では女性がずっと会社に勤めても、重要な部門の部長に就くことはできませんでした。なので外資系で働く道を選んだんです。恵まれてない環境だったので、違う道に進んだけれど、男性だったらリスクをとったかどうか分からない。

 磯崎さんは長銀総合研究所に就職されましたが、当時花形だった鉄鋼や電気業界関係の分析は先輩たちが抑えていた(関連記事)。なので花形ではないインターネット分野のアナリストをやることになって、そこからいろんな道が開けていった。一見不幸に見えることが、後からチャンスにつながることってたくさんありますよね。

磯崎:僕の場合はたまたまですが、そういったチャンスは少なくないと思います。

続く

著者プロフィール:ちきりん

兵庫県出身。バブル最盛期に証券会社で働く。米国の大学院への留学を経て外資系企業に勤務。2010年秋に退職し“働かない人生”を謳歌中。崩壊前のソビエト連邦など、これまでに約50カ国を旅している。2005年春から“おちゃらけ社会派”と称してブログを開始。Twitterアカウントは「@InsideCHIKIRIN

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