中国利上げの影響も消化難でまちまちの展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年12月28日 08時37分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>11555.03▼18.46

<NASDAQ>2667.27△1.67

<NY為替>82.83▼0.09

クリスマス明けで市場参加者も少なく、中国利上げの影響も消化難でまちまちの展開

 クリスマス休暇中に中国の利上げがあり、中国の経済拡大スピードの鈍化が米国企業にも影響があるのではないかと言うことで、売り先行となりました。それでもまだ休暇明けや大雪の影響で市場参加者も少なく、休暇前のヘッジ売りの買い戻しなどもあり底堅さが見られ、底堅さが確認されると景気回復期待などもあってナスダック指数は堅調となりました。懸念された国債入札が順調となったことも買戻しを急がせる要因となったようです。それでも、中国など新興国の景気拡大の恩恵を受けているような企業は売られ、ダウ平均は軟調となりました。

 中国の利上げが嫌気されたものの景気回復期待は根強いのですが、まだ目先的な過熱感もあり、決定的な買い材料がないと積極的に買い上がるというわけにもいかず、利益確定売りを急ぐことになるようです。金先物価格は上昇、原油先物価格も最後は利益確定売りに押されましたが、一時2年2カ月ぶりの高値をつけるという展開で、新興国の景気鈍化や信用収縮に対する懸念は見られず、株式市場も利益確定売りは出るものの、むきになって売り叩く、売り急ぐことにはならないのでしょう。

 個別には中国など新興国の恩恵が大きいと見られているキャタピラーやボーイング、アルコアなどが売られ、海外での売上も大きい、プロクター・アンド・ギャンブルやクラフト・フーズなども軟調となりました。クリスマス休暇で欧州金融不安も一服となっており、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカは堅調、投資週刊誌が割安感を指摘したシスコシステムズが高く、アップルも堅調となったのですが、インテルやIBMなどは軟調となりました。フォード・モーターやホーム・デポ、ウォルマートなどはしっかりとした動きで個人消費関連銘柄などに堅調なものも見られました。

本日の相場

日経平均

 昨日の相場は中国の利上げの影響なども懸念されましたが、特に懸念されることもなく、市場参加者が少ないなかで外国人も買い越し基調とされたことや為替も大きな動きがなかったこともあり、堅調となりました。中国利上げの影響に反応し切れなかったと言うことなのでしょうが、年末高期待も根強く、売り急ぐ動きもありませんでした。物色対象が絞られるわけでも広がるわけでもなく、方向感に乏しく盛り上りに欠ける展開となりました。

 注目された米国市場での中国の利上げの影響も限定的とされたことや海外でも為替に落ち着きが見られることで、日本市場も底堅い堅調な展開が期待されます。ただ、昨日の日本市場が中国の利上げを織り込まれているものとして堅調であったことから、上値の重い展開となりそうです。御用納めと言うこともあり、経済指標の発表も多いのですが特に影響はないかと思います。ただ、電子部品の出荷などにかげりも見られと伝えられていることもあり、電子部品株の動きは注目されます。一方で、個人消費に底入れの兆しも見られ、内需株が相場の下支えとなって来るのではないかと思います。

 日経平均は昨日も12月10日の高値を抜け切れませんでした。本日も12月10日の高値水準、10300円台後半をしっかりと抜けて10400円台をつけるのかどうかが注目されます。為替が円安に振れるようであれば、年末株高に期待する向きも多く、抜けて来るのではないかと思われますが、逆に円高に振れるようであれば、再度10200円台での底堅さを確認することになりそうです。ただ、10200円〜300円水準での底堅さも確認できているものと思われ、大きな下げとはなり難いのではないかと思います。

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