帝国データバンクは1月13日、2010年の全国企業倒産集計を発表、倒産件数は前年比12.4%減の1万1658件と2005年以来5年ぶりに前年比で減少したことが分かった。月別に見ても2010年はすべての月で前年同月の水準を下回っており、2009年9月以降16カ月連続で前年同月の水準を下回っている。
帝国データバンクでは「倒産が減少に転じた要因は、金融円滑化法と緊急保証という二段構えの金融支援策にある。過去に例を見ない手厚い中小企業支援策で、多くの企業が資金繰り破たんを回避した。堅調な外需や景気刺激策による下支えも倒産抑制に働いた」と分析している。
負債総額は前年比1.9%増の6兆9366億400万円と2年ぶりに前年を上回った。しかし、これは2010年1月に日本航空3社(日本航空、日本航空インターナショナル、ジャルキャピタル)が2兆3221億8100万円の負債を抱えて倒産した影響が大きく、3社を除いた負債は4兆6144億2300万円と過去10年で最低の水準となった。負債100億円以上の大型倒産も39件と、2009年の91件から約6割も減少している。
全体的な状況は良くなっているように見えるが、帝国データバンクでは「今後の注目は各種政策支援で抑制された倒産がいつ増加に転じるか。政策効果の息切れが顕著となった2010年9月を境に反転増の兆しは見られ、前年同月比減少率が2ケタから1ケタ台に縮小している。政策期限と資金需要期が重なる年度末以降、前年同月を上回る月が出てきそうだ」とコメントしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング