景気動向が直接会社の存亡に関わってくる中小企業。中小企業の経営者たちは2011年の状況についてどのように考えているのだろうか。
産業能率大学の調査によると、「2011年に経営活動に影響を与えると想定される要因」を尋ねたところ、最も多かったのは「国の政策の変化」で45.9%。以下、「需要の不足」が35.8%、「国際情勢の悪化」が27.9%、「業界構造の変化」が27.3%、「資金繰りの悪化」が20.1%で続いた。
業種別に見ると、土木・建設業や不動産関連業、医療・福祉では「国の政策の変化」が6割前後と高く、食品・飲料品(製造・卸・小売)や衣服・繊維製品(製造・卸・小売)では「需要の不足」を懸念する回答が5割ほどを占めた。
国の政策を懸念する声が多いようだが、「経営者として重要度が最も高いと思う国による景気対策」を聞くと、「法人税減税※」(29.8%)と「消費刺激」(24.9%)が上位。業種別に見ると、土木・建設業では「公共投資」の割合が高く、食品・飲料品(製造・卸・小売)や衣服・繊維製品(製造・卸・小売)、卸売・小売業では「消費刺激」の割合が高くなっていた。
多国間で関税を原則的に撤廃して貿易自由化することを目指している環太平洋経済連携協定(TPP)。「日本はTPPに参加すべきだと思いますか?」と尋ねると、「参加すべき」が83.3%と「参加すべきでない」の16.7%を大きく上回った。
参加すべきだと思う理由では「日本の国際競争力が高まるから」「日本が孤立してしまうから」「日本の輸出を増やすことができると思うから」などの割合が高かった一方、参加すべきでないと思う理由では「農業が衰退すると思うから」「輸入品の価格競争力が高まり、国内製品の市場を奪われると思うから」「二国間のFTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)を優先すべきだと思うから」が上位となった。
インターネットによる調査で、対象は従業員数6〜300人の企業の経営者688人。調査期間は2010年11月25日から12月5日。
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