<日経平均>10437.31▼119.79
<TOPIX>927.19▼9.68
<NYダウ>11822.80▼2.49
<NASDAQ>2704.29▼21.07
<NY為替>82.97△0.97
朝方発表された失業保険申請件数は予想を下回り、中古住宅販売が予想以上に増加となり、懸念されていた雇用や住宅関連の指標に改善が見られたのですが、中国の金融引き締めが続き、景気減速となるとの懸念から商品相場が利益確定売りもあって軟調となったことで売り先行となりました。その後は利益確定売り一巡から商品相場も持ち直したこともあり、戻り歩調となりましたが、戻り切らず、軟調となりました。それでもダウ平均は一時前日比プラスとなるなど、売り急ぐという動きも限られており、底堅さの感じられる展開でした。
中国など新興国の経済拡大の恩恵で米国景気が回復、商品相場も堅調となっている認識が強く、新興国での金融引き締めには敏感に反応してしまうようです。ただ、そうかといって米国の金融緩和傾向が変わるわけでもなく、目先的な行き過ぎの修正の範囲内と思われます。商品相場から資金の流出が生じ、安全資産に回帰しているということでもなく、まだ世界的な景気拡大、米国での景気回復を織り込む動きは続くものと思います。
個別には原油先物価格が下落したことからエクソン・モービルやシェブロンは軟調、金先物価格の下落をうけてパブリック・ゴールドも安くなりました。中国の景気減速懸念からキャタピラーやインテル、アップルなどが売られましたが、住宅指標の改善や前日の下落の反動からJPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなどは堅調となりました。商品相場の下落を受けてアルコアやモンサントも軟調となりましたが、雇用指標の改善を受けて、ウォルマートやホーム・デポも堅調となっています。引け後に決算を発表したグーグルは好決算に反応して時間外取引で買われています。
昨日の日本市場は米国株安や円高を嫌気して売り先行となり、目先的な過熱感を冷ますように売りが嵩みました。売り急ぐような動きが見られると言うことでもなく戻り鈍さを嫌気しては売り直されると言うことで指数を下押し、指数の戻りが鈍いから更に見切売りが嵩むということだったと思われます。注目された中国の経済指標に特に反応することもなく、過熱感がつよいなかで、手仕舞い売りが嵩んだということなのだと思います。
米国市場が軟調ながらも底堅く、為替が円安に振れたこと、昨日の大幅下落の反動から買い先行となりそうです。中国の金融引き締め懸念がいつものように取り沙汰されていますが、人民元の問題も一段落となり、再度日本企業の決算発表を前に業績回復を織り込む展開となりそうです。半導体や電子部品株などは業績面での上振れ期待が強いものも多く、また海外市場で商品相場が下落となったことでコスト高懸念も薄れて総じて堅調な展開となるものと思います。ハイテク銘柄やコスト高要因で売られていた銘柄などの反発が期待されます。
10400円台前半まで下落となりましたが、まだ10500円〜600円の上下100円と言うもみ合い水準での動きが続いていると見てもいいものと思います。目先的な過熱感も強いのですが、ちょうど昨年の12月のように値幅での調整と言うよりはもみ合いのなかでの日柄調整となっているとみてもいいのだと思います。決算発表が本格化するなかで上方修正が相次ぐような展開になる、あるいは米国景気の回復期待が強まり、欧州金融不安も薄れて円安となれば、次の節目である10800円〜900円水準を目指すことになるのでしょう。
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