教授のチームが新しく立ち上げたこのWebサイトには、「BOP版 iTunes」というビッグな可能性がある。説明しよう。
メニューの1つ「ミュージアム」は、子供たちが自由に投稿できる写真アルバムだ。これはインドの小学校での集合体操の写真。ラジオ体操かな? どんな音楽が流れているのだろう?
制服は男女別なのか、学年別なのか。校庭は土で大きな木まである。学校の体操風景を撮り合って比較するだけで興味が湧く。
余談だが、小学生のときにサンパウロで過ごした日本人に話を聞いた。日本人学校にはグラウンドが2つあり、こんもりした山のてっぺんでサッカーをするとボールが谷まで落ちて大変だとか。校内にでっかいトカゲがウロチョロしていて、学校職員が捕まえては肩から下げて歩いているそうだ。
遠くアフリカの子供たちはどんな校庭なんだろう? マサイ族は携帯カメラを持っているの? 写真技術でなく素直に撮る。そして見せっこをして「へえ〜」と驚きを交歓できる。それは写真の楽しさの原点である。
BigShotコネクトには、クイズで撮影やカメラを学ぶメニューもある。「科学」「撮影」「地理」などの問題を解きながら、好奇心を呼び覚ます仕掛け。Googleの翻訳機能を導入して、各国の言葉に自動翻訳することもできる。
教授は言う。
「カメラの組立体験を通じて、素材や加工への好奇心、モノづくりへの興味が湧く。撮影技術やフォトイメージング、光学への興味も湧く。子供同士で写真を交換すれば『ここはどんなところ?』『どんな生活があるの?』と疑問や好奇心が湧く。それを育てるのがこのWebサイトです」
そんな教育を教授は「IQ」ではなく「BQ」と呼ぶ。
Intelligence Quotientとは知能指数。記憶力や与えられた問いの解答力を測るものだ。それに対してBQとは、Brain Quotientの略。適訳が見当たらないが、EQの「心の知能指数」に倣えば「脳の知能指数」と言えそう。知識や解答力ではなく、感動して興味を抱き、「何だろう?」と疑問を持ち、自分でテーマを持って解いてゆく力である。
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