あなたの会社のTwitterアカウント、“中の人”が変わっても大丈夫?(1/2 ページ)

» 2011年02月07日 08時00分 公開
[安田英久,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:安田英久(やすだ・ひでひさ)

インプレスビジネスメディアWeb担当者Forum編集長。プログラミングやサーバ、データベースなどの技術系翻訳書や雑誌『インターネットマガジン』などの編集や出版営業を経て、現在、Webサイト「Web担当者Forum」編集長。ビジネスにおけるウェブサイトの企画・構築・運用と、オンラインマーケティングの2軸をテーマにメディアを展開している。


 あなたの企業では、企業の公式Twitterアカウントを担当している人が退職したらどうなりますか? 複数の人でTwitterアカウントをまわしている場合、一貫性のあるコミュニケーションができていますか?

 Twitter初期から有名だった企業Twitterアカウントに加ト吉(現テーブルマーク)があります。加ト吉のTwitterアカウントは、「中の人」である末広栄二氏のキャラが前に立ち、書籍まで発売したほど有名でしたが、氏が希望退職に応募した今、Twitterアカウントは別のアカウントに引き継がれています。

 ソーシャルメディア全般に言えることですが、担当者のキャラクターが見える方が、「企業アカウント」という堅さが薄れて親しみがわくものです。しかし、キャラを押し出そうとすればするほど、その担当者への属人性が高くなってしまい、ソーシャルメディア施策としての安定性や継続性への懸念が出てしまいます。

 そこで、「Twitter担当者のペルソナ」を作るという方法はいかがでしょうか?

 ペルソナというのは「仮想の人物像」です。つまりこの場合、実際にTwitterを担当している実在の人間のキャラそのものを押し出すのではなく、「弊社の Twitter担当者はこういう人」という設定をペルソナとして具体的に作り、実際のTwitter担当者はそのペルソナの人物を演じるようにTwitterで発言するのです。いわば、「非実在Twitter担当者」をキャラクタとして作り出すわけですね。

 そうすると、Twitterアカウントの運営を特定の人に頼りきることなくできるのではないでしょうか。今、Twitterを担当している人が異動しても、次の担当者が同じペルソナにのっとって発言すれば、顧客から見ておかしなギャップは生まれないでしょう。

 また、複数の人がローテーションで1つの企業Twitterアカウントをまわしている場合でも、全員が同じペルソナにのっとって発言すれば一貫性を保ちやすくなります(過去にどのユーザーとどういった会話のやりとりをしたかの情報を管理して共有すると、さらに良いでしょう)。

 一般にWebサイトのペルソナを作る場合、対象顧客イメージを明確にして共有するために作るので、実際のユーザーを調査して、複数のユーザーに共通して存在する潜在的なニーズをあぶり出すなど、かなり大変な作業が必要になります(そうしないと、適切な顧客像とは異なるターゲットを想定してしまいますからね)。

 しかし、「企業Twitterアカウント担当者」となると、そんな大変な調査は必要ありません。それこそ、漫画のキャラクタを作るような感じで作っていけるかもしれません。

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