営業マンは教えてくれない。住宅選びで失敗する“ギャップ”あなたはどうする? 住まいの選び方(2/3 ページ)

» 2011年02月18日 08時00分 公開
[権田和士(日本エル・シー・エー),Business Media 誠]

買ってから後悔するポイント

 「もう一度家作りをやり直したい」と答えている人の声として具体的に挙がっているのは「住宅ローンは、今考えると長期固定が良かった」「靴箱に家族全員の靴が入りきらない」「窓の位置が悪いので、通風が悪い」といった項目が目立つ。その中でも、10年以上も上位にランクインするのが、冒頭で紹介した「コンセントの位置と照明の位置」だ。コンセントや照明の位置は、「購入時のポイント」と「生活時のポイント」のギャップとして分かりやすい。

 購入時は、キレイなキッチンやハイグレードな設備など、派手な演出に目が向きがちで、コンセントの位置なんて細かいことを気にする人は、むしろ珍しいだろう。が、住んでみると、実はそういうささいな箇所が大事であることに気付くのだ。見渡してみると、家中が延長コードだらけなんてことがないように、気を付けなければいけない。

収納のバランスに気をつけろ

 さて「3年後に家作りをやり直したい」なんてことがないように、特に気を付けた方がいいと思うポイントは「収納」だ。

 収納に関しては、実は住宅購入時に多くの消費者が気にしている部分であるにも関わらず、購入後のやり直したいランキング上位に上る。事実、弊社独自のリサーチ結果によると、収納は住宅を選ぶ際のポイントで第1位に挙がっている(一般消費者8500人へのアンケート結果)。

 なぜこのようなことが起きるかというと、住宅購入時にはどうしても、収納の「数」と「量」ばかりに気をとられてしまうからだ。いくら収納が多くても、実際の生活場面において、必要な収納がなければ意味をなさない。その代表例がキッチンの収納だ。先ほどの一般消費者8500人へのアンケート結果では、「使い勝手の悪い収納」のワースト1位がキッチン収納である。

使い勝手の悪い収納はどこですか?

 キッチンは比較的細かいモノ、形が統一されていないモノが多いので、収納しづらい箇所に挙げる人が多い。また、あまり使っていない設備の第2位は「床下収納」であり、無駄なところに収納があってもしょうがないことが分かる。

 住宅の営業マンも「収納量」を話す傾向があるため、消費者も収納の量さえあれば大丈夫と思ってしまいがちだ。しかし大切なのは量ではなく、あるべきところに収納がバランス良く配置されているかどうかだ。

 子供部屋なら子供のおもちゃを片付ける収納、トイレならトイレットペーパーの収納、寝室には服をかける収納が必要になってくる。収納というハコ自体ではなく、片付けるライフシーンから逆算して収納を考えることが必要だ。

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