ワコールに聞く、キレイなおっぱいのために必要なこと郷好文の“うふふ”マーケティング(3/3 ページ)

» 2011年03月03日 08時00分 公開
[郷好文,Business Media 誠]
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45年間の計測から分かったこと

 さて、ワコールが1964年からの計測に使っている手法とは“マルチン計測”である。ドイツで開発された人体計測法で、専用計測器を使用して、アンダーバストやトップバストだけではなく、身体の各部159カ所(!)をくまなく記録する。毎年約1000人を測り、うち200人の女性には30年以上連続で体型変化を追う。彼女たちはもう50〜60代になっている。

 そういえば最近のアラフォーやアラフィフの女性、キレイで若々しい人が増えた(気がする)。10歳若く見える女性が知人にもゴロゴロいる。だから、「きっと体型は45年前に比べてずっと良くなっているはず」と思って猪熊さんに聞くと、意外な答えが返ってきた。

 「正確な分析をしたわけではありませんが、数値上はそんなに昔と変わっていないようなんです」

 むむ、そんなに変わっていないのか。では何が変わったのか?

 「弊社のビューティアドバイザーによると、下着の“買い方”が変わってきたようなのです。これまでは『パーティの下着はどれ?』とか『旅行に行くときの下着は?』といったアドバイスを求める人が多かったのですが、『ダイエット中の下着は?』とか『出産後の体型変化を戻したい』といった、下着と自分のシルエットを結びつける女性が増えてきたようです」

 なるほど、体型を維持したい人が増えているのか。

ワコールの猪熊敏博さん

男たちよ、愛する人のサイズを知ろう!

 最後に猪熊さんはこんなことも教えてくれた。

 「フランスの男性は妻のサイズを知っているので、下着をプレゼントできるんです」

 さすがはフランスの男! 粋だ。

 煩悩の雲が晴れてきた。サイズぴったりでアップするのはバストだけじゃない。心の中の美意識もアップするのだ。ならば、女性の心がより美しくなるよう、男性側からの1つのキャンペーンを提案してみたい。

 「男たちよ、愛する人のサイズを測ろう!」

 メジャーを持って、妻や恋人の身体のサイズを採寸させてもらう日を作りたい。店舗の採寸・試着に恥ずかしがらずに立ち会って、測り方を教えてもらおう。おっぱいへの敬意を払うため、10月1日のピンクリボンの日から1カ月、サイズを知ろうキャンペーンを張ってはいかがだろうか。

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