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» 2011年03月04日 08時04分 公開

ワンマン経営者の“暴走”の軌跡を追う(3/4 ページ)

[産経新聞]
永井昭四郎元会長の自宅から押収物を運び出す県警捜査員ら=1月4日午後8時45分、川口市東内野

 それにも関わらず、アーバン社はこの時期に前後して、大量のテレビCMを流し、積極的な顧客の勧誘を展開し始める。

 《アーバン♪ アーバン♪ アーバンエステート〜》

 軽快なCMソングが、妙に耳に残っているという人も多いのではないか。関東地方では数年前までこのテレビCMが大量に流され、アーバン社の知名度も確実にアップしていった。

 だが、その結果として平成20年度のアーバン社の広告宣伝費は約13億円と、売り上げ総利益の約3分の2を占めるほどに膨れ上がっていた。

 人件費も高く、従業員の給与は同業他社に比べ高水準だったという。永井容疑者をはじめとした旧経営陣も、月額数百万円の高報酬を受け取っていた。

 「広告費で顧客を集め、工事以外に回していけば経営が悪化するのは当然。あまりにも支出面の計画性が欠けている」(弁護団)

 また、永井容疑者は妻の経営するパブに計2000万円を出資。破綻直前に回収し、自分の口座に移したとみられる。「資産隠し」ともみられるこの行動について、永井容疑者は債権者集会で「(2000万円は)誤って捨てた」と説明したという。被害者の一人は「あまりにも無責任。(永井容疑者は)以前にも会社を立ち上げては潰してを繰り返していたようだ。もともと、いつかは潰れると思っていたのでは」と怒りをにじませた。

 永井容疑者は20年ごろから、銀行へ借り入れの打診をしては断られていた。銀行からの融資を断念し施主からカネを取るしかないと判断したのか、アーバン社は顧客からの前払い金の受け取りを加速させていく。

 「1週間以内に1000万円を前払いすれば、工事代金を割り引く」などと言葉巧みに勧誘。中には工事代金の全額を前払いした顧客もいた。こうして顧客から集めた金は計約35億円に上り、このうち計約27億円余りが未着工分だ。

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