コラム
» 2011年03月29日 11時46分 公開

松田雅央の時事日想:反原発政党が大躍進――フクシマがドイツに与えた影響 (2/3)

[松田雅央,Business Media 誠]

回転寿司は安全?

 答えから書くと、現状でドイツの回転寿司に安全上の問題はない。

 そもそもドイツの回転寿司で使用されている日本食材は、日本以外で生産されているものがほとんどだ。日本米(短粒米)はイタリア産が主だし日本酒も高級品以外は外国製で、魚介類もほとんどが欧州で水揚げされたもの。高級日本食レストランになれば、どうしても日本から取り寄せなければならない食材があるかもしれないが、量は限られる。

 「日本製の日本食材」はドイツ国内で流通する食品全体の0.1%と少量のため、全面的に流通が止まったとしても社会に与える影響は限定的だ。もちろん、在独日本人や日本食ファンには痛手だが。

緑の党、地すべり的な勝利

 福島の原発事故はドイツの政治にも大きな影響を与えている。

 27日に投開票されたバーデン・ビュルテンベルク州の州議会選挙で、脱原発を唱える緑の党が一挙に19議席伸ばし第2党に躍り出た。議席を減らす他党を横目に、同党だけが19議席伸ばすという一人勝ちの様相だ。緑の党は路線の近い中道左派のドイツ社会民主党(SPD)と連立政権樹立を協議している。

 ドイツ南西部のバーデン・ビュルテンベルク州は、人口1075万(ドイツの総人口8200万)、輸出総額に占める同州の割合は機械が4分の1、自動車・自動車部品が5分の1など経済的な存在感も大きい。これまで同州議会は中道右派のドイツキリスト教民主同盟(CDU)の牙城で、改選前は中道・自由主義の自由民主党(FDP)と連立政権を組んでいた。

 議席を大きく減らしたとはいえ改選後もCDUが議会第一党であることに変わりはない。しかし議席が半減したFDPと組んでも過半数には達しない。一方、緑の党とSPDが組めば71議席となり過半数69議席を上回る。連立政権樹立後、緑の党の州知事が誕生すればドイツ史上初めてのことになる。

改選後のバーデン・ビュルテンベルク州議会構成(出典:FAZ.NET)。CDU 60議席(改選前に比べ-9)、SPD 35議席(-3)、Grune 36議席(+19)、FDP 7議席(-8)

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