4月17日に東京電力が今後のロードマップを示したものの、長期化必至の福島第一原発の事故。モニタリングポストの結果を見ても、事務本館南の放射線量は毎時500マイクロシーベルト前後と、いまだに極めて高い水準にある。わずか数時間いただけで、年間に浴びる総放射線量を超える計算だ。
そんな厳しい状況下で現場の方々は作業しているわけだが、先日話題になったのが次画像の水上興業の求人、「福島の原子力発電所で清掃、修復工事の補助」である。福島第一原発近くでも比較的放射線量の低い場所はあるのだが、「防護服や保護服などを身に付けての作業」ということで非常に困難な任務であることは間違いない。
ただ、困難な任務ではあるのだが、よく読むと「1日3時間の作業」と書いてある。筆者も東日本大震災関連の惨状を見て、何らかの手伝いをしたいとは思っていたのだが、本業があるので、募金程度しか貢献できずにいた。だが、作業が1日3時間で、それ以外が自由時間となるのなら、ノートPCがあって、携帯電話の通信さえできれば、本業も並行して行えるはずである。
そこで各キャリアの通信設備の復旧状況を調べてみると、NTTドコモは福島第一原発と宿舎になっているという福島第二原発でサービスが復旧しているようだ(4月22日時点、auとソフトバンクはギリギリ復旧していないように見える)。
「これはいける」ということで、求人に応募。復旧に貢献できるだけでなく、守秘義務に反さないレベルで現地の情報も伝えられるし、政府や東京電力の発表が本当なのかどうかも確かめられるので、メディア的にも意義があるだろう。
もちろん放射線には気を付けないといけないが、復旧に当たる作業員の死者は出ていないようなので、そこまで危ない仕事ではないと“筆者は”判断した。『魔法少女まどか☆マギカ』の最終回も見たので、後顧の憂いもない。
ちなみに、ほかにも福島第一原発関連の求人が出ていないか探してみると、ハローワークで募集が出ているのを見つけた。
ただ、募集要項を見ていて気になるのが給料である。命の危険さえある地域での仕事なのに、東京電力の新卒初任給(高卒月16万3300円、大卒20万2000円)並みの水準にとどまっている求人もあるのはいかがなものなのだろうか。賠償金の支払いのために東京電力では社員の年収2割カットを検討しているというニュースもあるのだが、事故対応に当たる作業員に対しては何らかの形で補助を出してあげられないものかと感じる。
福島第一原発から20〜30キロ圏内での復興支援作業でも日給2万円が出ているのを見ると、リスクと比較して、あまりに報われていない。
作業内容 | 勤務時間 | 期間 | 給料 | 備考 |
---|---|---|---|---|
福島原子力発電所復興業務 | 8〜17時 | − | 月42万円 | 原発手帳所持者 |
現場作業員(原子力発電所内) | 8〜17時 | − | 月16万5000〜31万円 | ガレキの撤去作業など |
……が、応募したものの、1週間経っても先方から連絡が来ず、求人のページも今は削除されてしまっているので、もしかすると選から漏れてしまったのかもしれない。ただ、ほかにも労働時間が短かったり、労働時間が長くても期間が1週間だったりする原発復旧の仕事が出てきたら、ぜひ協力したいと思っている。
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