脱原発は「やらなきゃいかん」こと――孫正義、かく語りき郷好文の“うふふ”マーケティング(1/3 ページ)

» 2011年04月28日 08時00分 公開
[郷好文,Business Media 誠]

著者プロフィール:郷 好文

マーケティング・リサーチ、新規事業の開発、海外駐在を経て、1999年〜2008年までコンサルティングファームにてマネジメント・コンサルタントとして、事業戦略・マーケティング戦略など多数のプロジェクトに参画。2009年9月、株式会社ことばを設立。12月、異能のコンサルティング集団アンサー・コンサルティングLLPの設立とともに参画。コンサルタント・エッセイストの仕事に加えて、クリエイター支援・創作品販売の「utte(うって)」事業、ギャラリー&スペース「アートマルシェ神田」の運営に携わる。著書に『顧客視点の成長シナリオ』(ファーストプレス)など、印刷業界誌『プリバリ[印]』で「マーケティング価値校」を連載中。中小企業診断士。ブログ「cotobike


 多くの日本人にとって、“2011年3月11日”は、死ぬも生きるもどう働くかも、転機となる1日になった。

 上場企業ソフトバンクの社長であり、個人資産から100億円、さらに今後の役員報酬を全額寄付すると発表し、原発問題でも活発に発言する孫正義さんも考えた。毀誉褒貶(きよほうへん)相半ばする彼の思いはどこにあるのか? 個人の立場で会見に臨んだ「東日本大震災についての孫正義氏記者会見」(自由報道協会主催)を聴いた。

ソフトバンクの孫正義社長

 そこで孫さんは語った。

 「この1カ月、『原発問題をどう考えればいいか?』について真剣に悩みました。一方、毎日のように『本業をしっかりやれ!』『通話品質をしっかりしろ!』『被災地でつながるようにしろ!』『原発問題じゃないだろう』とお叱りも受けています。それも日夜頑張っております」

 「そう言われるたびに、小さなハートが痛む」と笑みを入れて語ったが、災害直後に携帯がつながっていたら助かったはずの人々のことを思うと、胸も痛むはずだ。そして、「1人の人間として、1人の日本国民として、今一番の関心事、一番の心配事は、日本に54基ある原発とエネルギー問題」と彼はこだわった。

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