中国消費者の7割、「震災後、日本産食品の購入意欲下がった」

» 2011年05月02日 14時32分 公開
[Business Media 誠]

 日本の貿易相手国として2002年に輸入額で世界1位、2009年には輸出額でも世界1位となった中国。2010年には輸出総額の19.4%、輸入総額の22.1%を中国が占めているが、中国では東日本大震災後の日本についてどのようなイメージを抱いているのだろうか。

 インテージのグループ会社である英徳知聯恒市場諮詢の調査によると、中国の消費者のうち、東日本大震災やそれに伴う津波に「関心がある(とても+少し)」という人は90.8%と、非常に関心が高いことが分かった。地域別に見ると、「関心がある」の割合は北京(92.5%)や上海(94.3%)などの大都市で、他都市よりやや高くなっていた。

東日本大震災やそれに伴う津波にどのくらい関心がありますか(出典:インテージ)

 調査対象者の約9割は東日本大震災前に日本からの輸入品を買ったことがあり、その中で最も多かったのは「日本から輸入した電子機器類」で62.8%。以下、「日本から輸入した化粧品」が45.5%、「日本から輸入した飲料・菓子類」が42.5%、「原材料を日本から輸入し、中国で加工された商品」が30.6%で続いた。

 日本からの輸入品のうち「地震と原発事故の影響で購買意欲が下がる可能性があるもの」を聞くと、最も多かったのは「海産物」で78.2%。以下、「野菜・果物」が73.2%、「飲料・菓子類」が69.9%、「子ども用ミルクなどの子ども用食品」が67.6%、「紙おむつやおもちゃなどの子ども用品」が60.9%、「化粧品」が60.6%で続いた。

 食品や子ども用商品などで特に購買意欲は下がっており、原材料・産地とも中国だが日系企業の商品というだけでも、2割強の人は購買意欲が下がる可能性があると回答した。

地震と原発事故の影響で購買意欲が下がる可能性があるもの(出典:インテージ)

中国消費者の8割弱、「現時点では日本に行きたくない」

 中国から日本を訪れる観光客は韓国に次いで多いが、3月の訪日外国人観光客数は前年の半分の水準にまで落ち込んだ。日本への観光旅行の意向について聞いたところ、「地震と放射能が怖いので、今後は行くつもりはない」が40.3%、「事態の収束後なら行ってもよい」が36.4%と、8割弱は「現時点では行きたくない」と回答。行きたいという人でも、多くの人は「地震の影響を受けていない、九州などの南部や西部、北海道なら行ってもいい」としていた。

 インターネットによる調査で、対象は北京、上海、広州、杭州、南京、成都、西安、瀋陽、武漢に住む18〜60歳の男女1740人(男性924人、女性816人)。調査期間は4月11日から14日。

日本への観光旅行の意向(出典:インテージ)

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