<日経平均>9460.63▼146.45
<TOPIX>817.68▼10.09
<NYダウ>12381.26▼130.78
<NASDAQ>2758.90▼44.42
<NY為替>81.99 △ 0.33
中国など新興国の景気拡大鈍化が懸念されたことに加え、格付け会社がイタリアの格付け見通しを弱含みに引き下げたことから欧州の財政問題、金融不安が強まり、リスク許容度が低下信用収縮の手仕舞い売りが嵩んで大幅下落となりました。それでなくてもQE2(量的緩和)終了後のリスクの取れる投機的な資金の行方が気になるところに、売り材料が重なったことで手仕舞い売りや見切売りが嵩んで大きな下げとなりました。
拡大一辺倒となっていた投機的な資金の流れにも変化が見られているものと思います。信用収縮の動きでリスク資産からの資金逃避も見られるものと思われます。加えてこれまで世界経済の拡大を牽引していた新興国の景気にもかげりが見られていることで売り急ぐ動きとなったものと思われます。ただ、ユーロが一旦下げ渋っていることや、あくまでも目先的な資金の逃避と見られ、世界経済の拡大が鈍化したわけでもなく、投機的な部分がはげていると言うことなのだと思われ、新興国の生活水準向上からの世界経済の拡大はまだ続いていると思います。
個別には決算発表は予想を上回ったものの地合いの悪さに押されてキャンベル・スープが下落、中国で主力工場が再開したと伝えられたアップルも軟調、中国関連銘柄、景気敏感銘柄に軟調なものが目立ち、キャタピラーやデュポンなどが軟調、インテルやIBMなどハイテク銘柄は世界的な景気鈍化懸念から総じて軟調となりました。欧州金融不安が強まったことで、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなど金融株も安く、原油価格の下落からエクソン・モービルなど石油株も安くなりました。予想以上の決算を発表したクリスピー・クリーム・ドーナッツは大幅高、この日の引け後に予想を上回る決算を発表したGTソーラーは時間外取引で買われました。
昨日の日本市場は米国株安や世界的な景気鈍化懸念、欧州金融不安などもあり大幅安となりました。寄り付きは週末のヘッジ売りの買戻しや外国人が買い越しと伝えられたことなどもあり、底堅さも見られたのですが原子力発電所事故もまだ何が出てくるのかわからないと言うような状況で、買い手控え気分の強い中で持高調整の売りも嵩んで大幅下落となりました。節目と見られる日経平均9500円水準を割り込んで終わっています。
米国株安や世界的な景気減速懸念などから本日も売り先行となりそうです。ただ、こうした情勢を織り込むかのように昨日の相場で既に軟調な展開となっていたこともあり、底堅さも見られるものと思います。相対的に割安感の出ている日本市場では売り急ぐ動きも限定的となりそうです。ただ、逆に日本市場への退避資金の流入も期待し難く、大きく反発とは行かず下値模索というような展開となりそうです。売られすぎ感の強いハイテク銘柄や自動車株などが為替が比較的落ち着いていることから、買戻しなどで底堅く、代替エネルギー関連銘柄などが幕間つなぎ的に買われそうです。
日経平均はここで踏ん張れるのかどうかというところです。まだハイテク銘柄などの主力株に持高調整の売りが続くようであれば次の下値の節目である9200円〜300円水準を試すことになるのでしょうし、何とか9400円台半ばから後半で底堅さが見られれば9500円〜600円下値の誤差の範囲として再度9800円〜900円水準を目指すことになるものと思います。ここが正念場、と言うことでしょう。
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