37歳の転機を前に……自分でそれに気が付けますか?ちきりんの“社会派”で行こう!(1/2 ページ)

» 2011年06月20日 08時00分 公開
[ちきりん,Chikirinの日記]

「ちきりんの“社会派”で行こう!」とは?

はてなダイアリーの片隅でさまざまな話題をちょっと違った視点から扱う匿名ブロガー“ちきりん”さん。政治や経済から、社会、芸能まで鋭い分析眼で読み解く“ちきりんワールド”をご堪能ください。

※本記事は、「Chikirinの日記」において、2009年5月5日に掲載されたエントリーを再構成したコラムです。


 前回「“今と異なる自分”になれる?――最後通告は37歳」という記事を書きました。

 それは「将来が現在の延長線上にしか存在しなくなる」年齢であり、人生の再スタートができなくなる年齢だという話でした。37歳まで“ぐーたら”だった人は“一生ぐーたら”だし、37歳までに決断できなかった人は、一生決断できない。それは、“今の自分とは違う将来や夢”を語ってもよい最後の年齢なのです。

 若手俳優など芸能界のスターも、このあたりで役柄が変わりますよね。というより、変えないとやっていけなくなります。もともとキレイな人が多いですし、メイクもメンテも完璧なのでみんなとても若く見えますが、それでも37歳を越えて、清純派女優やアイドル、わーきゃー騒いでるだけのかわいいタレント……的なポジションを維持していくのはちょっと大変になります。

 演技力でもいいし、大人の色香や、司会者としての才能など何らか別のものが必要になるでしょう。また、芸能活動ではなく、レストラン経営やデザイン、グッズ販売などのビジネスにかじを切る人も出てきます。

三浦知良著『やめないよ』

 スポーツ選手も同じでしょう。30代半ばは明らかな体力の衰えを迎える時期。キング・カズみたいに「ずっとやる!」と決めるのも(彼のように断固たる意思を持って進むなら)1つの生き方だし、指導者を目指すもよし、完全に違う世界に入るのもあり、というところです。

 いずれにせよ、30代半ばの“転換期”を乗り切れるかどうかで、後半戦の人生が決まるという大事なタイミングなのです。

 この年齢での“転換”には、「主体性が求められる」という特徴があります。タレントでも、10代で売り出した時は事務所の作ったイメージ戦略に乗り、言われるままに歌ったり踊ったりしていればいいです。ですが、30代半ばの転換期には、もちろんアドバイスをくれる人はいるでしょうが、基本的には自分がかじを切ってどちらに進むかを決める必要があります。

 これは会社員も同じです。23歳の新卒の就職時期には、周りが一斉に「はいっ! ここが転機ですよ! 学生から社会人になってください。ここで一生が決まるからマジメにやってくださいねっ!」と号令をかけてくれます。だからマジメにやっていれば時期を逸するということはありません。

 でも、30代後半の転機は、誰も合図をしてくれないので、ぼーっとしているといつのまにか過ぎてしまい、「あれっ?」と思うと40代になっていたりします。

 「新卒就職活動の一発勝負がよくない」とよく言われます。確かに就活の結果がその次の10年、つまり35歳くらいまでの人生を大きく左右するとは思います。しかし、「大事な時期」はもう一度10年後にやってくるのです。それは“最初の勝負”であった就活をうまく乗り切った人にもやってきます。

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