ただ菅首相の大きな勘違いは、責任に対する考え方だ。一国の首相の責任とは、自分の行動に対する責任ではない。大臣や官僚などの行動についての責任も自分が背負わなければならない。自分が責任を取ることによって、政策の立案や実行をする人々が自由に能力を発揮できるような環境をつくることがリーダーの役割である。自分で原発に飛んで、現場の責任者と意見を交換するなどというのは、まさに「カン違い」以外の何ものでもない。
このまま行くと、菅首相は自分の延命のためにいろいろな課題を「食い散らかす」ことになりかねない。その食べかすを後始末するのは次のリーダーということになるが、取り返しがつかないのは「時間」である。大学で物理学を学んだと豪語する菅首相は、この時間に対する責任をいったいどのように考えているのだろうか。
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