売り切って終わりではなく、毎月収益が積み上がるサブスクモデル。安定収益、顧客データ、囲い込み――企業にとって魅力は多い。一方で、継続率が下がれば一気に苦しくなる側面もある。急拡大したサブスク市場の勝算と限界を読み解く。
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「家の修理に50万円かかりますねえ」――。
突然そんなことを言われたら、多くの人は頭の中が真っ白になるのではないだろうか。実際、水漏れやトイレ詰まりなどの住宅トラブルに便乗し、高額請求を行う業者について、消費者庁が注意喚起を行っている。
しかも厄介なのは、こうしたトラブルが、たいてい突然起きることだ。
夜、急にブレーカーが落ちる。朝起きたら、床がぬれている。トイレが詰まる。慌ててネットで「水漏れ 修理」などと検索し、表示された業者に電話する。だが、その相手が信頼できるのかどうか、消費者には判断がつかない。
悪質業者によるトラブルが絶えない中、これまでになかったサービスが登場して、契約件数を増やしている。ホームサーブ(東京都中央区)が運営する「サブスク型お家の修理サービス」だ。
価格は月590円から(※)。電気、水まわり、ガス設備などのトラブルに24時間365日対応し、条件内であれば追加費用なしで修理を受け付けている。2020年にサービスを始め、現在の契約件数は約38万件。ここ2〜3年は、年10万件ペースで伸ばしているのだ。
(※)電気設備のエコノミープラン:一括払い7080円(1カ月当たり590円)
毎月一定額を払って、もしものときに備える。このサービスを初めて知った人からは「火災保険みたいなもの?」と聞かれることが多いそうだが、個人的には「家版のJAF(日本自動車連盟)」に近いと思っている。
クルマが突然動かなくなったときに備えて、JAFに加入するように、家のトラブルにも“備えのサービス”に入っておく。言われてみると、違和感のないサービスだが、日本では「家は壊れてから直すもの」という考え方が根強く、事前に備える文化はそれほど広がってこなかった。
エアコンが壊れたら電気店を探す。水漏れしたら業者を呼ぶ。その都度、必要になってから対応する文化である。にもかかわらず、なぜ「毎月払って備える」というサブスク型のサービスが広がっているのか。
同社の得永泰裕社長によると「背景に、住宅の老朽化があるからだ」という。
「服のサブスク」はなぜ儲からないのか エアークローゼットが10年で黒字化できた背景
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