15%節電で首都圏企業は“我慢の節電”に――省電舎・川上光一社長嶋田淑之の「リーダーは眠らない」(1/5 ページ)

» 2011年06月24日 08時00分 公開
[嶋田淑之,Business Media 誠]

嶋田淑之の「リーダーは眠らない」とは?

 技術革新のスピードが上がり、経済のグローバル化も進む中、日夜、自らの組織のために粉骨砕身するリーダーたち。彼らはどんな思いを抱き、どんなことに注目して、事業を運営しているのでしょうか。「リーダーは眠らない」では、さまざまな企業や団体のトップに登場していただき、業界の“今”を語ってもらいます。

 インタビュアーは戦略経営に詳しい嶋田淑之氏。徹底した聞き取りを通して、リーダーの心の内に鋭く迫ります。


 東京電力や東北電力管内における夏の「ピーク時15%節電」がいよいよ始まろうとしている。

政府が、契約電力500キロワット以上の大口需要家に対して、電気事業法に基づく「電力使用制限令」発動を決定したのが5月13日。これにより、ピーク時使用電力の15%節減が義務付けられ、違反した場合には罰則が科せられることになった。

 その後、病院や交通機関などがその対象から除外されたとはいえ、首都圏から東北にかけて事業所や工場・研究所などを展開する大企業・中堅企業の多くが、この制限令に対応することとなった。

 しかし、制限令発動は7月1日で、準備期間がわずか1カ月半しかない上に、制限令の実施期間が東北電力管内は9月9日まで、東京電力管内は9月22日までと2カ月以上の長期にわたる。

 こうした厳しい環境変化の中で、各企業はどのように対応しようとしているのだろうか? あるいは、どうすれば効果的・効率的な対応が可能なのだろうか? 

 その疑問を解消すべく、今回は省電舎の川上光一社長にお話をうかがった。同社は1986年創業で、ESCO事業※を柱とした省エネルギー・ビジネスの専業企業としては、日本のパイオニア的な存在である。

※ESCO事業……Energy Service Companyの略。地球環境保護を目的に、顧客の省エネルギーを推進するビジネスで、その費用を、顧客(受益者)が省エネルギー実現による削減コストの中から支払っていく点に特徴がある。米国が本場。具体的には、顧客の工場やビルなどの施設に対して、診断からコンサルティング、計画立案、設計施工、施工管理、省エネルギー効果計測・検証、事業資金調達、ファイナンスまで、包括的なサービスを提供し、それによって得られる省エネルギー効果を保証する。
省電舎の川上光一社長
       1|2|3|4|5 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.