30にして立ち――。
これは中国人の誰もが知っている孔子の論語の一節で、「30代に入ったら自立して、そして自分の人生の目標と発展方向を決めなければならない」という意味です。
では、30歳を迎えた、もしくは迎えようとしている「80後」は今、社会の中でどのように自立をしているのでしょうか。中国で「80後」について行われた、ある調査を紹介しましょう。
まず「80後」の夫婦は、それぞれの親の世話、子育てなどに68%が困惑やストレスを感じている反面、42%は「大変だけど自分が思っている通り毎日を送っている」とそれなりの充実感をえているようです。
そして、45%はまた子供がいません。理由は、自分の時間や自由、自分なりのライフスタイルが欲しいとのことです。一方で30歳になった「80後」の30%が未婚。恋人がいますが、仕事を落ち着けるまで結婚しないと思っている人が少なくないようです。
「消費」に関しては、やはり豊かな時代に生まれただけあって、60%以上がマイホームを持っており、30%の人がマイカーを持っています。しかし、不動産価格高騰になってきた現在、北京や上海などの大都市で自分の力でマンションを購入できる「80後」は少なく、ほぼ親からの資金援助というのが現実です。
「仕事」については興味深い結果がでています。30歳になる前の「80後」は半数以上が2回以上の転職を経験。わがままで、自尊心が強いこの世代は、新人扱いされることに嫌気がさしたり、能力を認めてくれない組織に不満をもち、すぐに辞めてしまうといわれています。
また、37%は会社の管理職になっていますが、36%は安定的な仕事に就けていません。日本で少し前に流行した「勝ち組」と「負け組」ではありませんが、「80後」のキャリアにも明暗がくっきりとついているのも特徴なのです。
明暗といえば忘れてはいけないのが貧富の差。ご存じのように、これは中国の深刻な社会問題の1つで、「80後」にもあてはまります。
2010年、中国中央テレビ局と経済誌『財富人物』が共同で『2010年「80後」財産ランキング』を発表しました。ランキングによると、ほとんどが30歳前後で、不動産、IT、自動車部品メーカーのほか、スポーツ選手、芸能人などが入っていました。ちなみに1位に輝いたのは30歳の女性。彼女は不動産会社を経営し、年収は45億ドル(約3640億円)でした。
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