「80後」ってナニ? 知らなきゃ損する中国の常識Wu Yuの中国版“新人類”とうまく付き合う方法(4/4 ページ)

» 2011年06月28日 08時00分 公開
[Wu Yu,Business Media 誠]
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不動産業界と官僚が圧力? 人気ドラマが打ち切り

 そんな華やかな生活を送る「80後」が注目される一方で、日々の生活に苦しむ「80後」もいます。

 2009年には『蝸居』(カタツムリの家)というドラマが中国全土に放映され、とても大人気になりました。不動産ローンに苦しむ若夫婦、汚職官僚とその愛人に堕ちる若夫婦の妹……。今まで中国人の触っちゃいけない敏感な神経に触れるテーマで、爆発的なヒットになったものの、テレビドラマの放映は途中で中断。その背景には「不動産業界と官僚がテレビ局に圧力をかけた」と伝えられています。

 しかし「蝸居」という言葉は人々の記憶に強く残り、今の中国の若者たちが直面する現実を象徴する言葉となりました。ちなみに、中国の若者を指す言葉には「蟻族」(1985年以後生まれ)というのもあります。これは対外経済貿易大学の副教授が定義した「80後」のもう1つの呼び方です。

 「蟻族」は、北京などの大都市の郊外で暮らしていて、住居はいわゆるシェアハウスで、環境は決してよくありません。月収は日本円にして1万3000円から2万6000円ほど。給料のよい仕事に就くことがなかなかできず、その結果として地方からの出稼ぎ労働者と職を奪い合っているといわれています。

 良くも悪くも中国社会で注目をされてきた「80後」ですが、彼らのうち30歳になった世代がビジネスや消費の場で中心的な役割になってきているのは間違いありません。また「最も反逆世代」と呼ばれるだけあって、反 日デモや不買運動に情熱を傾けていた「80後」も多くいましたが、彼らの多くも結婚したり、管理職になったりして社会の中で責任のある立場になってきました。日本の若者とともに、「80後」世代がこれからの日中関係を築いていくのは間違いありません。

 「80後」を知り、「80後」とうまく付き合う――。

 中国という隣人とのコミュニケーションを考える際、これは日本のみなさんにぜひとも覚えていただきたいことのひとつです。

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