常夏のグアム、チャモロ料理とチャモロダンサーのアルカイックな微笑みMaila Ta Fan Boka!(2/3 ページ)

» 2011年07月12日 08時00分 公開
[澤田景子,Business Media 誠]

食べるだけじゃ物足りない。チャモロ料理を作ってみよう

グアム 子豚の丸焼き

 とある夕食。マンギラオ村にあるムニャ(MUNA)家に招待された。現地の家庭料理で知られる家で、プレスツアー参加者がチャモロ料理の調理体験ができるようにと自宅の庭(100人以上でパーティができるほどの広さだ)を開放してくれたのだ。

 庭の一角には流しやグリルがあり、近くのコミュニティーカレッジの料理学科の生徒もお手伝いとして参加した。グアムの人々は、手料理でのおもてなしが大好きだ。炎の上で豪快に丸焼きにされてる子豚や、こんがり焼けるチキンの芳醇な香りがわれわれの食欲をそそった。

 日本人チームは、スイーツのバナナフリッターかマンゴードーナツを担当する。調理場へ向かう途中、ケラグエン担当の韓国チームのテーブルの横を通った。チャモロ料理の中ではケラグエンが一番気に入っていた筆者は、料理の説明をするケビンさんの話をメモる。

 説明を終えたケビンさんが「誰か手伝ってくれる人はいませんか?」と聞く。遠慮しているのか誰も返事をしない。「はい、やります!」と、高々と手を挙げる筆者。ニコニコしながら「君はチキンの係だよ。じゃあ、まず手を洗ってね」と、ケビンさん。筆者はめでたくケラグエンを作る係りに任命された。

チキン・ケラグエンの材料

ローストしたチキン、玉ねぎ、青ねぎ、faha(古いココナッツ)、ココナッツの果肉、donne pepper(キダチトウガラシ、シマトウガラシ)、レモンパウダー、塩、コショウ(すべて適量)


グアム グリルしたチキン。これを手でほぐしてケラグエンの材料にする

 ローストしたチキンはそのままガブリといきたいところ。そこをぐっとこらえて手で肉と骨に分けてほぐし、肉を包丁で細かくきざむ。玉ねぎ、青ねぎ、faha、donne pepperはみじん切りに、ココナッツの果肉はすりつぶしておく。食材をすべてボウルに入れて混ぜ合わせ、塩、コショウ、レモンパウダーで味付けしてケラグエンの完成だ。分量は、自分が美味しいと思う量を適当に。

 いくつか見慣れない材料があるので補足しておこう。fahaと呼ばれる古いココナッツは、白くパンのようにふわふわ。そのまま食べるとパサパサしてはいるが、ココナッツの甘みを凝縮した味がする。細かく刻んで入れたfahaがチキンの肉汁を吸収して味がなじむのだという。

 また、味付けに使ったレモンパウダー(市販品)。ケビンさんに「なぜ生のレモンを使わないのか」と聞いてみた。「生のレモンの果汁でもいいのだけれど、水分があるのでベタベタになって仕上がりがあまりよくない。僕はこのほうが好きなんだ。レモンを絞る手間も省けるしね」

 筆者は日本国内でレモンパウダーを見かけたことがないのだが、グアムではごく一般的に売っているという。帰国後、ネットの通信販売でレモンパウダーが買えることを知った。これでいつでもケラグエンが作れる。

グアムグアム (左)味の決め手、レモンパウダーの缶。よく見るとカタカナで書いてある(右)できあがったチキンのケラグエン

 この日の夕食は、ケラグエンはもちろん、ツアー参加者の注目度No.1だった子豚の丸焼き、マンゴードーナツに青パパイヤのピクルス、そのほかたくさんのチャモロ料理。本来ならば筆者が作るはずだったバナナフリッターもちゃんと並んでいた。

 青パパイヤのピクルスは、甘くなく塩と唐辛子で漬けてあるので、日本の漬物と同じようにパリパリと食べられる。アフー(Ahu)という名の茶色いココナッツスープには、細かく刻んだココナッツが入っていて、中華あんのようにドロリとしていてほんのり甘い。スープというより、あたたかいデザートという位置付けのようで、感覚としては日本の甘酒に近い。

 マンゴードーナツやバナナフリッターは、小麦粉の衣をつけて油で揚げて砂糖をまぶす。あたたかいフルーツのお菓子は甘みをより一層際立たせるので、女性が好きそうな印象を受けた。

グアム この日の夕食は、各国メディアやブロガーが頑張った

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