電力を押さえた者は、何を手にするのか原口一博×武田邦彦 それでも原発は必要か(5)(2/3 ページ)

» 2011年07月12日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
武田邦彦教授

原口:今の私たちは、何千年ものパラダイムを変えようとしているタイミングです。何度も言いますが、エネルギーは「大規模・独占・集中・排除」のシステムが長く続いてきました。化石エネルギーをコントロールすることができた人間は、より大規模にエネルギーを独占することができました。そして原発が生まれ、さらに大きな力を手にすることができた人が出てきたんです

 こうした流れを、私たちが変えていかなければいけないんです。

武田:つまり大きなエネルギーを手にした者は、皇帝を生むということですよね。

原口:その通りです。

武田:エネルギーの独占と民主主義というのは、水と油のようなもの。民主主義に合ったエネルギーを生み出さなければいけません。太陽光が次世代のエネルギーの中心になり、大規模・独占のシステムが構築される――。これだと今までの歴史となんら変わらない。

 日本の電力会社は10社あって、地域を独占しています。そして各地域では“殿様”のような立場で、会社を経営してきました。しかし今後は発送電分離の話は避けて通れません。また「そもそも電力会社をどうしていけばいいんだ」という話にもなってくるでしょうね。

原口:昔、家で電話を使うためには「電話加入権」というものを購入しなければいけませんでした。

武田:ありましたね。確か7万5000円ほどかかりました。

原口:いまの電力は、かつての電話のようなもの。どんなにきれいなエネルギーを作ろうが、発電と送電を結ぶ電力会社に権限があるんですよ。

武田:ですね。

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