電力を押さえた者は、何を手にするのか原口一博×武田邦彦 それでも原発は必要か(5)(3/3 ページ)

» 2011年07月12日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
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選択できることが大切

原口:今「節電、節電」と、やかましく言われています。しかし節電しても節電メーターのようなものを勝手につけることができないんですよ。今の仕組みだと、電力会社が認めたものでないとダメなんです。

武田:企業なり団体が、その業界を独占してしまうととんでもないことになってしまう典型ですね。例えばテレビ局が1社になってしまうと、好き勝手な放送ばかり流すかもしれない。ひょっとしたら、「あなたの家には放送しません」と言ってくるかもしれない。巨大な力を特定の会社が独占することは、民主主義そのものを崩していくことにつながりますね。

原口:ですね。

武田:しかしインターネットの世界ではたくさんのコンテンツがあり、それを個人が好き勝手に見ることができます。

原口:つまり選択できることが大切で、その選択には責任と権限が伴うんですよ。例えば対談番組があって、その内容を生放送で流す。民主主義では、こうしたメディアが必要で、かつこれ以上強いメディアはありません。

武田:“ダダ漏れ”がいいわけですね(笑)。

 →続く

プロフィール

原口一博(はらぐち・かずひろ)

1959年佐賀県生まれ。1983年東京大学文学部心理学科(第4類心理学)卒業。1987年佐賀県議会議員当選。1996年衆議院議員に当選。2003年民主党副幹事長。2009年総務大臣。この間、郵政民営化に関する特別委員会筆頭理事、総務委員会筆頭理事、拉致議連(北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟)副会長などを歴任。現在は衆議院総務委員長を務める。

著書に『ICT原口ビジョン』(ぎょうせい)、『平和 核開発の時代に問う』(ゴマブックス)などがある。

武田邦彦(たけだ・くにひこ)

1943年東京都生まれ。1966年東京大学教養学部基礎科学科卒業後、旭化成工業に入社。1986年より同社ウラン濃縮研究所長を務め、自己代謝材料の開発に取り組む。1993年より芝浦工業大学工学部教授、2002年より名古屋大学教授を経て、2007年3月より中部大学総合工学研究所の教授。また内閣府原子力安全委員会の専門委員などを歴任する。

著書に『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』(洋泉社)、『偽善エネルギー』(幻冬舎新書)のほか、原発問題をテーマにした『原発大崩壊! 第2のフクシマは日本中にある 』(ベスト新書)などがある。


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