東京電力の福島第1原発の事故を受け、これまで問題視されなかったことが、次々に浮き彫りになった。例えば国は巨大なエネルギーをマネージメントできないことが明らかになった。なんでも「コントロールできる」というのではなく、まずは「できない」ということを認識し、そこからスタートする必要があるのではないだろうか。
原口:欧州では、人口500人の街でも経済的に豊かなところがあったりします。それはなぜかというと、エネルギーの搾取を許していないからです。
日本の土地はカリフォルニア州よりも狭い。なのになぜ限界集落があったり、過疎の問題が存在するのか。被災地になった仙台はもともと、伊達藩が江戸を3分の1ほどまかなっていました。なのに、なぜ東北は過疎になってしまったのか。過疎になった背景には、エネルギーと金融の世界で搾取され続けてきたからです。
武田:ですね。エネルギーは小さいものよりも大きなもののほうが有利になるようになっている。権力を分散化させるために、小さなエネルギーを共有できる仕組みに変えていかなければいけません。
原口:その通りです。
武田:ただ30万キロワットの自家発電を造ったとしても、コストが高くつくだけ。そうなると自家発電が動かせなくなってしまう。コストを安くすることができれば、もっと自家発電は普及するでしょうね。これは技術的な問題になってきます。
例えばメディアで考えると、これまでの大手新聞社は右肩上がりの購読部数と広告料で巨大化してきました。しかしインターネットの登場で、徐々に小さくなってきている。つまり技術力を高め自家発電を安く使えるようにすれば、巨大な電力会社が小さくなっていくでしょう。そうするとこれまでのようなシステムにも変化が生まれるでしょうね。
原口:それを可能にしようとしているのが、再生可能エネルギー特別措置法案。この法案は家庭や企業が太陽光や風量などで発電した電気について、電力会社に買い取りを義務付けるもの。買い取り費用は電気料金に上乗せして利用者から徴収することが認められています。
菅首相はこの法案が通るまで「辞めない」と言っています。しかし大丈夫。僕が代わりにやってあげますから。
武田:ハハハ。
原口:菅首相は最近になって言い始めましたが、僕は昔から言っているので。
武田:ハハハ。
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