電力を押さえた者は、何を手にするのか原口一博×武田邦彦 それでも原発は必要か(5)(1/3 ページ)

» 2011年07月12日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 東京電力の福島第1原発の事故を受け、「日本の電力は今後、どのようにすればいいのか?」と考えたことがある人も多いだろう。太陽光か原発かといった議論があるが、この2つの選択肢の中から選ぶべきなのだろうか。民主党の原口一博議員は、ソフトバンクの孫正義社長にあることを述べたという。それは……。

「エネルギー=権力」という構図

――日本のエネルギーの未来について、どのように見ていますか?

原口一博議員

原口:「エネルギー=権力」という構図があることを知っている人は少ないのではないでしょうか。例えば太陽の光を人間が使えるようになれば、その技術を開発した人は権力者になることができます。例えばナイル川をコントロールできた人間はファラオです。黄河をコントロールしたのは秦の始皇帝。

 もちろん今の太陽光や風力エネルギーの技術で、日本の電力をすべてまかなえるわけではありません。なので火力発電や揚水発電に力を入れてもいいかもしれない。ただしエネルギーの基本は独占型から「分散型」にしなければいけないと思っています。

 僕はソフトバンクの孫正義社長にこのように言いました。「太陽光か原発かという選択肢ではありません。『大規模・独占・集中・排除』か『小規模・分散・自立・共同』で選択しないといけない」と。孫社長は資本家なのでメガソーラーを考えるのは当然かもしれませんが、そこだけをやっていてはダメなんです。

 もし1人当たり2キロワットの電力を生産することができ、その権利を全員もつことができれば原発は不要になります。エネルギーは地域通貨の考え方でなければいけません。つまり地域と人間をつなげなければいけないんです。

武田:なるほど。

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