大幅高だが、盛り上がりに欠け上値も限定的清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年07月20日 16時07分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 10005.90円 △116.18円
売買高 15億3902万株
売買代金 9833億7500万円
値上がり銘柄 947銘柄
値下がり銘柄 547銘柄
騰落レシオ 126.81% ▼4.03%

日経平均

米国株高を受けて大幅高だが、相変らず盛り上がりに欠け上値も限定的

 米国市場が大幅高、今年最大の上げ幅となったことから買いん先行となりました。為替も落ち着いていたのですが、外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)が金額は買い越しながらも株数は売り越しと昨日に続き先週までの買い越し基調に変化がみられたことなどもあって、大幅高とはなったものの寄り付きの買いが一巡となった後はさらに買い上がるような動きもみられず指数は小動きとなりました。米ハイテク銘柄が好決算を発表したことから電子部品株などに高いものがみられて指数を押し上げましたが、買い戻しが主体と言う感じで上値追いとなるものもあまりみられず、逆に幕間つなぎ的に買われていたような銘柄は利益確定売り、手仕舞い売りに押されて軟調となるものもみられました。

 業績が好調と新聞などで報じられた銘柄なども買われて堅調となるものもみられましたが、どちらかというと出尽くし感からの買い戻しなどが主体という感じで、後場に入ると買い戻し一巡感もあって、上げ幅を縮小しての動きとなりました。だからと言って手仕舞い売りを急ぐことも、下値を売り叩くようなこともなく、大幅高水準ではあるのですが、上げ幅を縮小した水準で小動きとなりました。結局、最後は心理的な節目とみられる日経平均の10000円の攻防となりましたが、最後まで方向感は見えず小さな動きでしたが、かろうじて10000円台での引けとなりました。

 小型銘柄は一部、ハイテク銘柄や太陽電池関連銘柄などに大きく上昇するものがみられましたが、幕間つなぎ的に買われていた銘柄が手仕舞い売りに押されるものが多く、堅調なのですが主力銘柄に比べて冴えない感じでした。二部株指数や日経ジャスダック平均は堅調、ジャスダックTOP20は大幅高となったのですが、東証マザーズ指数は軟調となりました。先物は相変らずまとまった売り買いは少なく、まとまった売り買いが散発的にみられても指数の反応は鈍い感じでした。朝方は先物先行となりましたが、上値の重さを確認すると売り場探しという展開でした。

 大幅高となる場面でも盛り上がりに欠け、好材料で買われても長続きがしないという感じです。長続きがしないものだから早めに手仕舞い売りを出す向きが多く、さらに長続きしなくなるということなのでしょう。じっくりと方向感を持って物色するようなこともなく、今の政府と同じで行き当たりばったりの投資(投機?)が多く、相場全体に方向感や物色の絞り込みが出来ないことで指数の大きな流が出来ないということでしょう。決算動向を見ながらの水準訂正を期待したいところです。

テクニカル分析

日経平均

 小さなもみ合いを上に放れて戻りを試す動きとなりましたが、まだ転換線に上値を押さえられている状況です。RSIは比較的高い水準で方向感がなく、ストキャスティックスは底値圏にあるので、ここで転換線を抜ける可能性もありますが、それでも上値の節目とみられる10200円〜300円水準までと言う感じです。逆に下値も9800円〜900円水準での底堅さも確認できたということなのでしょうが、基準線や雲のサポートを確認するような場面もありそうです。つまり、これまでと変わらずまだ大きなもみ合いのなかで方向感に乏しいということなのだと思います。

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