大幅高だが、盛り上がりに欠け上値も限定的清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年07月20日 16時07分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株が大幅高となったことから日本市場も買いが先行、大幅高となりました。ただ、外国人が売り越しと伝えられたこともあり、寄り付きの買いが一巡した後は上値の重い展開となり、後場になるとさらに上値の重さを嫌気するような売りも出て上げ幅縮小となる場面もあるなど、指数は大幅高なのですが相変らず盛り上がりに欠ける展開でした。大幅高となる銘柄も、米国企業の好決算を受けて買われるなど、他人任せのような買い方であり、また先物の買い戻しやから売りが多かった銘柄が大きく上昇するなど買い戻しが主体とみられるものも多く、心理的な節目とみられる日経平均の10000円水準を抜けても盛り上がらないのだと思います。

 ここのところ指数が大幅高となってもいっこうに盛り上がりません。単純に売買高が少ないとか多いという問題ではなく、何度もこのコラムでも述べているように、株式投資の仕方として「待ち伏せ」のような形での売り買いが非常に少なくなっているのではないかという気がします。投資する銘柄を選ぶにも単純に「今日寄り付きから一番上がった銘柄」だとか、「昨日に比べて売買高が増えた銘柄」などをランキングにして飛び乗り、飛び降りるということが多いのではないかと思います。

 従来であれば、証券会社のディーラーなどが使った手法を今は非常に多くの投資家が採っているということなのかもしれません。いつもここで述べているように決してそうした売り買いも間違いではないと思いますが逆に売買高が増えて来たから「買い増す」とか利益を確定するなどというような投資の仕方をしても良いのだと思います。「スマートグリッド関連銘柄」をしっかりと追っていれば、今回の大震災後の節電相場にも相通ずるものがあり、皆が節電、節電と騒いでいるところでしっかりと利益が出せるというようなこともあるのでしょう。

 また、アナリストが投資判断を引き上げたといって買われるような場面でもアナリストより先にしっかりとその引き上げるような理由を把握して仕込んでおけば、投資判断の引き上げなどがあった時には悠々と利益を確保することも出来たと思います。動き出してからでも遅くない、という投資の仕方もあるのでしょうが、しっかりと先を読んでの投資のどちらも大きな利益を生むと投資の仕方も決して侮れないと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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