GDPが予想を下回ったことから売られて軟調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年08月01日 08時28分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>9833.03▼68.32

<TOPIX>841.37▼7.00

<NYダウ>12143.24▼96.87

<NASDAQ>2756.38▼9.87

<NY為替>76.70▼1.00

債務問題の解決が見られず、GDPが予想を下回ったことが嫌気されて売られて軟調

 相変わらず債務上限引き上げの調整が難航していることに加え、朝方発表された4−6月期のGDP(国内総生産)が予想を下回り1−3月期も大きく下方修正されたことから売りが先行となりました。午前中に発表されたシカゴ購買協会景気指数(PMI)や消費者態度指数も予想を下回り、債務問題ばかりではなく、景気の先行きに対する懸念も強まり、週末・月末の手仕舞い売りも嵩んで軟調となりました。

 今週は債務問題が解決したとしても主要な経済指標の発表もあり、今度は足元の景況感に反応することになるのでしょう。個別企業の決算は先行きに対する懸念が強いものの、足元の業績は好調なものが多く、景気悪化懸念も債務問題が解決すると今度は楽観的な見方となるのかもしれませんが当面は悲観的な見方が強く指数の上値も限定的となりそうです。下値を探る展開が続く中で好調な決算が示された銘柄の底堅さが期待されます。

 個別には予想を下回る決算を発表したモトローラやニューモント・マイニングが大幅安、従業員の削減方針を示したメルクも軟調となりました。IBMは横ばいとなったもののインテルやアップルなどハイテク銘柄にも軟調なものが目立ち、欧州金融不安も根強いことからバンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースも軟調となりました。予想を上回る決算を発表したスターバックスは堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株安や円高を嫌気して売りが先行、軟調となりました。週末の持ち高調整の買戻しや月末のお化粧買いを期待しつつ、好決算を発表した銘柄や業績見通しの上方修正を発表した銘柄などが買われて堅調となる場面もあったのですが、週末の海外動向も気になるということで買い手控え気分も強く、軟調となりました。決算動向も比較的堅調なものも多いのですが、株価の反応とすれば悪い決算に大きく反応するような感じでした。

 先週末の米国株は軟調となったのですが、昨日になって債務問題で暫定合意したとのニュースもあり、堅調な展開となりそうです。ただ。ドル安が一服となったとしてもなお、米国景気の動向も気になるということで、戻りも鈍いことになりそうです。好調な決算を発表している企業も多いのですが、慎重な見通しを示しているものも多く、円高傾向にあるということが慎重な見方に拍車をかけて、足元の好調な業績、順調な回復をしっかりと織り込み難いと思われます。ハイテク銘柄などのリバウンドや消去法的に内需株や新興市場の銘柄など為替の影響などが少ない銘柄が幕間つなぎ的に買われるものと思います。

 日経平均は9800円〜900円水準での底堅さを確認することになりそうです。9800円〜900円水準を割り込む可能性も出てきましたがその場合でも9500円〜600円水準が下値目処と見ておいていいのだと思います。米国債務問題が暫定合意したとのことで、今度は世界的な景気鈍化を懸念するのでしょうが、ここから大きく下押すほど日本株が買われていたわけでもなく、円高が進む中でも「日本買い」の動きもあるのだと思います。上値は当面は心理的な節目が実際の節目となった感もある10000円水準となってくる可能性もありそうです。

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