ちょっと変えれば、もっと楽しい――IKEAが提案する“3畳”のカタチ郷好文の“うふふ”マーケティング(3/3 ページ)

» 2011年08月04日 08時00分 公開
[郷好文,Business Media 誠]
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なぜ3畳? なぜ東寺?

 プレスカンファレンスでも説明がなかった謎、東寺が建立された時代背景がカギを握っていると思う。

 東寺は平安時代の初期、796年に建立された。大陸文化を吸収した天平時代から、日本独自の建築様式(和様)が発達した平安時代への転換期にあたる。当時の寺院では日本の気候風土を取り入れ、引き違い戸や障子などが開発された。中国伝来の大陸的な大建築様式から、天井が低い、日本人好みの様式に移ったことが特徴である。

 戸を外せば屋根と柱と床だけというシンプル構造。自然と一体で住む。日本人の住まいの知恵の発祥時期と重なる。

 緑と自然がいっぱいの「自然と親しむ緑いっぱいのサンルーム」の3畳。窓もなく自然と一体になる“借景”に、日本の暮らしの原点がある。

「自然と親しむ緑いっぱいのサンルーム」

 日本進出してからこれまでの5年間は浸透期、次の5年間は拡張期である。もっと日本市場に溶け込みたい。そこにスカンジナビアという大陸=IKEAと、日本の家屋を折衷させたいという狙いがある。言わば“和北欧折衷”である。だから東寺、だから3畳だったのではないか。

狭いながらも我がスペース

 理屈はおしまい。私も「ちょっと変えれば、もっと楽しい」を楽しみたい。片づけ下手が因果応報の私の執筆スペース、ちょっと変えたい。恥ずかしい雑然としたビフォー。

私の執筆スペース(BEFORE)

 “ちょっと”なのでコストもちょっと。IKEA三郷店をぶらりとして、3つの商品を買った。3段書類トレイDOKUMENTには「アイデアに詰まった時に発想がわく品」を置く。写真立てTOLSBYで好きな絵を飾る。台所用品の鍋敷きHEATをコースター的なアクセントに。〆て997円の模様替え。

私の執筆スペース(AFTER)

 狭いながらも我が3畳を楽しみませんか。

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