米国債格下げが嫌気されて大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年08月08日 16時10分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 9097.56円 ▼202.32円
売買高 20億4158万株
売買代金 1兆3570億4200万円
値上がり銘柄 108銘柄
値下がり銘柄 1521銘柄
騰落レシオ 72.52% ▼6.74%

日経平均

週末の米国市場は堅調だが米国債格下げが嫌気されて大幅下落

 週末の米国市場はまちまち、乱高下ながらも堅調となったのですが、米国市場の引け後に米国債の格下げが伝えられたことから、売り先行となりました。週末から週初にかけてG20やG7会合が開かれ協調性して金融市場の混乱を回避するとしたのですが、持高調整の売りや見切り売りが多く大幅安水準でのもみ合いとなりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)が大幅売り越しと伝えられたことや円高気味となったこともあって買い気に乏しい展開となりました。米国債の格下げと言っても格付け会社に問題があったり、ある程度相場では織り込まれていたものと考えられたのですが、G7などでも具体的な方策が示されなかったこともあり、米国市場の動きを確認したいということなのでしょう。

 後場は為替の協調介入がみられなかったことからの失望感もあって一段安となりました。中国などアジア各国の景気拡大への懸念も強まり、売り急ぐ場面もありました。ドルの買い戻し一巡感から円高が進んだということも売り急ぐ要因となったものと思います。ただ、午後に発表された景気指標が好調なことや、売り飽き気分もあって手仕舞いの買い戻しや値ごろ感からの買いもみられ、日経平均の9000円を意識する水準ではさすがに下げ渋りとなりました。いったん売られると売りが売りを呼ぶように売られるのですが、いったん下げ止まると目先筋の買い戻しも入るといった状況でした。ただ、上値を買い急ぐ動きはなく大きく戻ることなく引けました。

 小型銘柄も朝方は幕間つなぎとして買われる銘柄等もあり、堅調となるものも多かったのですが、買い一巡感から上値の重さが見られると見切り売りを急ぐように大きな下落となるものも多くなりました。東証マザーズ指数は朝方は堅調でしたがじり安となって大幅安、二部株指数や日経ジャスダック平均、ジャスダックTOP20も底堅い場面もあったのですが大幅下落となりました。先物はまとまった売り買いは午後になってみられましたが、指数を大きく動かすこともなく常に上値の重いような展開でした。指数の方向感を出すと言うよりは相変らず目先筋の小口商いが主体という感じでした。

 為替の介入期待があり、足元の景況感も決して悪くないのですがいっこうに下げ止まりません。米国債の格下げが売り要因としていますが、その割にはドルが堅調となっており、実際には持高調整の売りが多かったということなのだと思います。好調な決算を発表しても全く反応しないものや円高に振れても買われる輸出株、米国での売り上げが大きいのにここまで売られた反動から高いものがみられるなどちぐはぐな場面もあり、世界的な景気鈍化懸念といいつつも目先の需給に振らされているような感じです。割安感が出ている銘柄も多く、業績底入れ感が出ている銘柄や再編などが期待できる銘柄などは底堅い動きとなってくるのだと思います。

テクニカル分析

日経平均

 下値を試す動きが続いています。「三空」となったことで、ここからは反発も期待されますが、まだ大震災の安値を意識するような動きもみられるのかもしれません。ストキャスティックスは底値圏にあるのですが、RSIはまだ下値余地もあって下落となっており、まだ下値模索ということかもしれません。

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