コラム
» 2011年08月17日 08時00分 UPDATE

あなたはどうする? 住まいの選び方:新築か中古か これからの家選びのポイント (2/3)

[権田和士(インタープライズ・コンサルティング),Business Media 誠]

これから伸びる中古住宅の市場

 実際に中古住宅の流通量も、中古車に比べるとまだまだ低い状態だ。

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 日本は「家余り社会」と言われ、住宅の数が世帯数よりも多くなっており、その比率は年々高まっている。誰も住んでいない家が増えており、まさに家が余っている状態だ。

 新成長戦略実現2011によると、2020年までに中古住宅・リフォーム市場を倍増させるとしている。国も「家余り社会」の解消に乗り出した格好だ。

 また、リノベーションの役割が大きくなっており、改装技術に加えて住み心地やデザインなどのソフト面が向上したことで、購入者の「個別価値」もある程度代替できるようになったことも、中古住宅の流通量が拡大していく要因の1つだ。

これからの家選びのポイント

 さて、中古住宅の注目度が高まっていく中、「新築か中古住宅か」という住宅購入検討者の選択肢も増えていくだろう。ただ私が読者にお伝えしたいのは、「新築VS. 中古」という近視眼的な見方ではなく、より根本的な「家選びの基準」の変化だ。

 今までの家選びの基準は、いわば個別価値という“オンリーワンの価値”だった。代表的なのが完全自由設計で作る注文住宅だ。理想の住まいをオーダーメイドで作り上げる完全自由設計、生活の質・利便性が上がるような住宅設備などの個別価値が家選びの基準だった。

 ただ中古住宅の市場が活性化していく中、その家選びの基準は変化していく。

 自分が購入した家もいつかは中古住宅として売りに出すことを踏まえると、「再販価格」を視野に入れて住宅を購入する必要がある。すなわち、市場からの評価を重視した「流通価値」という基準が、これからの家選びのポイントになる。

 例えば、自分は、新築時に高いお金を掛けてルーフバルコニーを設けたとしても、それが中古市場ではあまり評価されず、再販価格としては反映されないなんてことは十分にある。

 自分自身にとってのオンリーワンの価値だけでなく、“他人が住む時のメリット”を意識して住宅を購入する必要がある。

 首都圏の中古マンションの流通が比較的進んでいる理由は「流通価値」の分かりやすさにある。戸建に比べて、「立地」「住環境」といった不動産価値により、他人からでも比較的評価されやすく、年月が経っても変わらないメリットが多いからだ。

 また、今後は「立地」「不動産価値」などだけでなく、「建物価値」も検討材料の1つに入ってくる。というのも「建物価値」の基準作りが業界内で急速に進んでいるからだ。大手ハウスメーカーが連合を組んだ「スムストック住宅」や、中小・中堅企業が連合を組んで推進している「リノベーション住宅推進協議会」などがある。

 「優良ストック住宅推進協議会(スムストック)」に関しては大手ハウスメーカー9社が参加し、「優良ストック住宅査定方式」という「建物価値」の基準作りと普及を推し進めている。その一方、「リノベーション住宅推進協議会」では中小・中堅企業が参加し、中小・中堅企業向けの「建物価値」の基準作り、普及に取り組んでいる。今後、どちらの「建物価値」の基準がスタンダードになるかは分からないが、中古住宅の流通時代に合わせて大手、中小ともに次世代スタンダードの覇権争いが始まっている。

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