昨日までの大幅高の反動もあって大幅下落清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年08月26日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8772.36△132.75

<TOPIX>751.82△9.58

<NYダウ>11149.82▼170.89

<NASDAQ>2419.63▼48.06

<NY為替>77.45△0.47

週末のイベントを控えて手仕舞い売りが嵩み、昨日までの大幅高の反動もあって大幅下落

 朝方発表された新規失業保険申請件数が予想を上回り、雇用に対する不安がみられたことに加え、欧州での空売り規制をめぐる混乱などを嫌気する動きで、前日までの大幅高の反動もあって大幅下落となりました。週末のFRB(連邦準備理事会)議長の講演で金融緩和、特にQE3(量的緩和)についての言及があるのかどうかを見極めたいということで手仕舞い売りも嵩んだものと思います。景気鈍化懸念なども根強いだけに期待はするものの、いったん手仕舞うと言う動きになったのでしょう。

 ドルが堅調となったことや金や原油の先物価格も落ち着いており、特に売り材料が出たということでもないのですが、まだまだ疑心暗鬼といった相場で週末のイベントを控えてしっかちと持高を増やすということはなく、手仕舞い売りが嵩んだということだと思います。これまでの世界的な景気鈍化懸念、金融不安は一段落となったものの、FRBに対する期待度も高く、期待外れに終わるといったんは下値を試すようなこともあるのかもしれません。

 個別にはCEO(経営最高責任者)の辞任報道で時間外取引で大きく売られていたアップルも目先は安泰ということで値を戻し軟調ではあるのですが、底堅い展開となり、インテルやIBMなどハイテク銘柄全般に軟調ではあるのですが、底堅さもみられました。著名投資家が出資をしたと伝えられたバンク・オブ・アメリカは大幅高、連れてシティグループも大幅高となったのですが、JPモルガン・チェースは手仕舞い売りも嵩んで軟調となりました。大きく売られることはなかったのですが、キャタピラーやアルコア、GE(ゼネラル・エレクトリック)、フォード・モーターなど景気敏感株もそろって軟調、ウォルマートやコカ・コーラなど消費関連も手仕舞い売りに押されて軟調となりました。原油や金の先物価格は堅調でしたが、エクソン・モービルなど石油株は安く、大きく売られた反動でパブリック・ゴールドやニューモント・マイニングなど金鉱株は堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株が大幅高となったことや円高一服となったこと、そして持ち高調整の売りが一段落となって売られすぎた主力銘柄が大幅高となって指数を押し上げ、大幅高となりました。後場に入って一段高となったあとは手仕舞い売りもあって上げ幅を縮小、まだまだ底値圏からのもみ合いを放れきれないという感じですが、割安感が強まっているものもあり、持ち高調整の売りが一巡となると見直し買いで売られすぎの修正となるのだと思います。

 米国市場は再び大幅安となりましたが、多分に前日までの大幅高の反動という面もあり、為替が円安傾向ということもあり、日本市場は底堅い展開となるのではないかと思います。週末ということ、特に米国での重要なイベントを控えた週末ということもあって、積極的に持ち高を増やすようなこともないと思いますが、手仕舞い売りと手仕舞いの買戻しがせめぎ合いながら方向感に乏しい展開となるのではないかと思います。昨日大きく戻した主力銘柄は底堅さが見られるのではないかと思います。

 8800円〜900円水準での上値の重さを確認する格好となりました。下値は8500円〜600円水準、上値は8800円〜900円水準という範囲での動きが続いているということなのでしょう。目先的には一昨日の大きな陰線の中での動きとなっており、本日も8800円を前後からは為替が大きく円安に振れるようなことでもないと上値も重くなりそうですし、8700円前後では底堅さもみられるのではないかと思います。いずれにしても手仕舞いの売り買い、どちらが多いかで指数が振らされることになりそうです。

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