英語での交渉で気を付けたい7つのポイントビジネス英語の歩き方(1/2 ページ)

» 2011年09月28日 08時00分 公開
[ラース・レイフィールド,Business Media 誠]

「ビジネス英語の歩き方」とは?

経済のグローバル化で、国内の外資系企業で働く人だけでなく、海外企業で働く人も珍しくなくなっている昨今。社内英語公用語化の流れもあり、事実上の世界公用語となっている英語の重要性がますます増しています。この連載では、ビジネスシーンで英語や英語圏の文化に関わるに当たって、どんなことに気を付けるべきなのかを解説していきます。


 グローバル化が加速する日本。トヨタ自動車や任天堂など、海外の売り上げが国内の売り上げを上回る企業も珍しくなくなっています。そして足元で進行している円高の影響もあり、大企業はもちろん中小企業でも海外進出を探るケースが増えています。

 「ウチの顧客は日本の会社がメインだから……」と安心していても、ある日突然「シンガポールに出張して取引先を開拓してこい!」といった至上命令が出て大慌てということがあるかもしれません。

 私は外資系企業などへの転職を支援するジェイエイシー リクルートメントから戦略子会社のJAC Internationalに出向して、主に外国人エグゼクティブに対する営業を行っていますが、日本人の同僚に同行すると隣でヒヤヒヤすることがあります。先日の英語面接でのアドバイスに続いて、悪気のないちょっとしたひと言でせっかくの商談が上手くいかなくなるということがないよう、同僚や友人知人の失敗談などから、欧米人と英語で交渉する時に気を付けたい7つのアドバイスを集めてみました。

 →英語面接で気を付けたい12のポイント

1.Use Japanese or don't use Japanese(日本語を使うか使わないか、あらかじめ決めておく)

 これから外国人と英語で交渉を始めようとする時に、最初のセリフが「Do you speak Japanese?」では、まとまる商談もまとまらなくなってしまいます。このように聞くこと自体が、「自分の能力に自信がない」というマイナスイメージを与え、あなたの立場を弱くしてしまいます。

 まず事前に「日本語で臨むのか、英語で臨むのか」をはっきりと決めておきましょう。そのため、これから会う交渉相手が日本語を話すかどうかの情報をあらかじめ得ておくことは重要です。

 そしていったん英語で話すと決めたならば、100%英語で通しましょう。そうすれば、たとえその英語が上手ではなくても尊敬されます。「Do you speak Japanese?」に相手が「Yes」と答えたとしても、英語で勝負すると決めたなら、最後まで英語で頑張り通しましょう。

2.Always speak at your level of English(英語は自分のレベルで)

 仕事をする上では、誰もが自分を良く見せようとします。しかし、英語に完璧さを求め過ぎ、特に正確性にこだわり過ぎると、どう表現したらいいのかばかりを考えて、肝心の何を言うべきかを忘れてしまったりします。また、商談の最中は緊張の連続なので、完璧な英語をしゃべろうとするあまり、一度失敗すると、さらに失敗するのではないかというプレッシャーの悪循環にはまってしまうこともありがちです。

 自分のレベルで英語を話すというのは、自分が使い慣れた単語で話すということです。そうすることで、話したいことがスムーズに表現できて、結果的に良い印象を与えます。ネイティブスピーカーは少々のミスには寛容ですし、英語を母国語としない外国人たちも、母国語以外で話すことの難しさは理解してくれるでしょう。

3.Be Simple(簡潔に!)

 英単語や英熟語を学ぶ際、多くの日本人はそれが使われる文脈から切り離して学んでいるようです。商談の場合、簡潔に素直に話すことは極めて重要です。英単語を単語帳から学ぶと、語彙(ごい)数は増えると思いますが、現実ではほとんど使われない単語を用いたり、ニュアンスを誤ったりすることがよくあります。同様に、ビジネスシーンでは比喩や例えを使うのも望ましくありません。

 英語に自信があることを示すのは結構ですが、英語はあなたの考えていることを相手に伝える道具でしかありません。簡潔であることが本当に一番良いのです。

 先日、とある会議で日本のビジネスパーソンが、「サルも木から落ちる」を「Monkeys falling from trees」などと英語で表現していましたが、会議に参加している外国人は、彼が何を言いたいのか誰も理解できませんでした。

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