相手が来日間もない外国人でない限り、「日本ではこうします」と言うのは好ましくありません。外国人との交渉事で「日本ではこうするとうまくいく」と言いたくなるのはよく分かりますが、これは日本と外国の溝を拡げるだけで、関係構築の妨げになります。言われれば当たり前のように聞こえるかもしれないのですが、多くの日本人は残念ながらこのことに気づいていません。
これは日本研究に携わる外国人学生の間で有名な話ですが、ある国の大学教授が30年間日本文化を研究して著した大変評判の良い本がありました。しかし、これを読んだ埼玉県に住む15歳の中学生は、教授がいまだに日本を理解していないと感じたので、「本当の日本を伝えたい」と教授に手紙を送りました。教授は手紙を見て「この中学生が15年で理解できることが30年も研究した私に理解できないのなら、外国人が日本を理解することはありえない」と嘆いたそうです。
この教授は今でもジョークとしてこの話をよく取り上げますが、みなさんも外国のビジネスパーソンから同じようなことを言われないように十分注意してください。日本人は日本では日本的なやり方をしないとだめだと思っているかもしれませんが、グローバル社会で「日本的なやり方」を主張しても、あまり意味はないのです。
多くの外国人は、この言葉に意味を感じません。特にビジネスシーンにおいては、否定的印象を与える言葉です。英語の感覚では、そう発言した人は「ギブアップ」、または「言いわけをしている」と受け取られます。
外資系企業を相手に「It can't be helped」と言って取引停止になった日本人の営業マネジャーを私は知っています。この言葉は、本当に翻訳困難な「しょうがない」言葉だと思います。
ビジネスシーンでは、この言葉もよく耳にします。この言葉は日本語では「頑張ります」と訳すことが多いようです。しかしながら、ビジネスパートナーは、あなたに何ができるのかを知りたいのであって、あなたが何にトライするのかには関心がありません。
このような場面では、自信と才能があるというオーラを放つことが大切ですから、「I'm confident(私は確信している)」「I can(私はできる)」を使うべきです。多くの日本人が「I will try my best」を使って失敗するので、私はこうした機会には必ず取り上げるようにしています。
英語のビジネス交渉では、「●●が優れている」と単に述べても意味はありません。何がどれほど優れているかを述べてこそ、初めて相手の心をつかめます。これは、製品でもサービスでも同じことです。
単に「この製品はよく売れています」と言われるのと、「この製品の昨年度の売り上げは200億円で、マーケットシェアの60%を占めています」と言われるのと、どちらの表現が信用できるでしょうか。特に商談では、みんな自社がいかに優秀かを売り込もうとするわけです。自社が他社に比べていかに優れているかを際立たせない限り成功しません。
――いかがでしたか? ぜひ、この7つのアドバイスを参考に、外資系企業からの大型受注を目指してください!
英国シェフィールド大学の東アジア研究学科を首席で卒業後、ジェイ エイ シー リクルートメント入社のため来日。現在は英語教授法資格(TEFL)を持つコンサルタントとしてJAC Internationalに所属。外資系企業の人材採用支援を主業務としながら、日本人の英語面接指導も担当している。
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