なでしこJAPANがもっと強くなるように、4つの施策を考えてみた郷好文の“うふふ”マーケティング(3/3 ページ)

» 2011年09月29日 08時00分 公開
[郷好文,Business Media 誠]
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女子プレミアリーグへの収益処方せん

 オトコ客目当ての“プリティリーグ”ではなく、クオリティが高いプレミアリーグ。サッカー好きの女子に夢をあたえ、観戦をエンジョイしたい女性を感動させる。女子が女子のプレーをハイレベルで楽しめるエンターテインメント。決して無理ではない。今だってJリーグの観客の40%は女性。なでしこでは70%以上を狙いたい。そのための提案をしよう。

1.なでしこ巡業制

 なでしこリーグはJリーグのように地域フランチャイズ制だが、後援企業も地域支援も厚くない現状でのホーム&アウェイは正直キツい。そこで、大相撲の巡業制に似たシステムを導入する。

 9チームの各フランチャイズ地域をベースに、ある時は神戸、次は新潟、次は仙台など開催地を巡業する。4〜5試合を1地域で1〜2日で開催。同一スタジアムで昼夜開催や近隣スタジアムで時差開催すれば、サポーターは複数試合をハシゴして澤も丸山も観られる。

 無料試合はなくなり、観客収入が増加する。集中開催ならテレビ中継や報道陣の取材もしやすい。映像販売も増やせる。全試合観戦のお得なチケット販売もできるし、地域の商業も潤う。知名度が全国区になったからこそ地方巡業が生きる。チーム数が少ないので、当たりやすい「なでしこtoto」も発売しよう。

2.ガールズスタジアム

 施設面では「オトコスタジアムよさらば。“ガールズスタジアム”へようこそ」。スタジアム施設も女子目線で見直す。

 女子観客をにらんで、女子トイレを行列ができないほど作る。また、フードサービスも即席麺なんてやめて、ヘルシーでおいしいをテーマにベーグルや五穀米おにぎり、フォーやタイカレー、スイーツをそろえよう。“スポーツファッションモール”もいい。ありきたりなTシャツやタオルではなく、スカーフやミサンガを売ろう。

3.クリニックでは神の足技を

 巡業ではもちろんサッカークリニックを開催する。そこでは、あのアウトサイドボレ―を生み出した“神の足”の真髄を教えるのだ。あのゴールで全国の少女数百人が「サッカーをやろう」と誓った。その瞳の火を絶やさないよう、ニアへ走り込んだ神の技を教えよう。有名選手のマネがサッカーの原点なのだ。

4.女子のことは女子で

 なでしこ収益化のポイントは「女子のことは女子でやろう」。オトコ目線ではマーケティングも汗臭くなる。だが、日本女子サッカーリーグ協会の理事や委員は半分以上が男性。上部団体の日本サッカー協会に至っては現在ゼロ(以前は伊達公子さんがいた)。

 女子サッカー大国の米国に追いつき追い抜くため、そのカギとなるのは米国を知る澤穂希しかいない。ダイレクトボレーのような、とてつもないことをサッカー普及でもやってほしい。お願いします!

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