アフター3.11、ビジネスパーソンはどう変わった? (前編)仕事をしたら“グラッ”ときた(4/6 ページ)

» 2011年09月30日 08時08分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

仕事観や生き方観が広がる

黒田:アンケート結果からは、多くのビジネスパーソンが内面回帰していることがうかがえます。「仕事の価値観が変わった」と簡単に言いますが、実はこの部分はなかなか変わらない人間の中核部分。震災という不幸な出来事が原因ではありますが、それをきっかけに仕事観や生き方観が広がったことは、これからの人と仕事の関係にとってプラスに転じるはずだと捉えています。

 もちろん月日が経てば人間の記憶は薄くなり、徐々に考え方も変わっていくでしょう。それでも震災をきっかけに、高額の年収を捨てて地域に貢献する仕事に転職したり、金融機関に就職を希望していた学生が介護や医療関連などの業界に興味を持ち始めたりするケースが増えてきました。

 「あのときあの震災がなかったら、私はこの仕事をしていなかった」――。こういった人が、5年後・10年後にたくさん出てくるのではないでしょうか。

土肥:ビジネスパーソンの仕事観に変化が出てきている、となると編集方針も変えていかざるを得ないのでは?

黒田:約4割の人が「震災後に仕事に対する変化が出た」といっても、全員が地域に密着または社会に貢献する仕事に就けることはできません。また残りの約6割は「変化していない」(60.7%)と回答しています。いい・悪いと言った話ではなく、「震災で自分の価値観まで変わることはない」という人もたくさんいます。

 ビジネスパーソンはもっと「多軸多様」であっていいと思うんですよ。日本の働く環境に多様性が広がる――こうした社会変化にどこまで対応したりバックアップしていけるかが、リクナビNEXTを含めたメディアの課題になるでしょうね。

(出典:リクナビNEXT)

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