為替に振らされながら指数は小動き清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年09月30日 17時37分 公開
[Business Media 誠,清水洋介]
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明日の相場雑感

 米国株は乱高下でまちまちの展開、為替も海外では円高一服となったものの日本時間では円高が進むというように方向感の掴み難い相場となりました。月末・期末ということで「お化粧買い」も期待されたのですが、昨日の引け際の買い方をみていると一日早く出たような感じでもあり、週末ということで手仕舞い売りも多いと思われ、売り買いともに手掛け難い相場となりました。午後になってからさらにユーロが売られる場面もあり、軟調となりましたが、最後までお化粧買いを気にして売り切れないという感じで指数は小動き、ほぼ変わらずの引けとなりました。

 相変らず米国市場も乱高下となり、先日来述べているように「アルゴリズム」取引と言うものが主流で指数を大きく動かすことも多いようです。日本市場でも良く「誤発注」として報じられますが一気に売り買いを出すことで大きな動きとなってしまうことがみられます。目先の売買に徹している人でもなかなかこうした値動きに敏感に反応してうまく利益を出すというのは難しいのではないかと思います。

 かつて「ジェイコム問題」にみられるように、誤発注などの特別な値動きは目先筋にとっても儲けるチャンスということです。誤発注でなくてもアルゴリズム取引の逆手をとって儲けるということも出来そうな気がします。いずれにしても目先の値動きに反応するということですが目先の値動きをみての売り買いも「読み」や「スピード」勝負となってくるのではないかと思います。逆にスピードでも読みでも勝負できないというのであれば、こうした目先の売買は手控えた方が良いと思います。

 ただ、目先の値動きをみての売買はある意味で「何も考えずに」儲ける良い方法ということなのでしょう。値動きをみていて上がりそうだと思えば買い、下がりそうだと思えば売って、買いでも売りでも利益が出たらすぐに反対売買をするという取引だと思います。ただ、そうした取引をするのであれば、しっかりと「ロスカット」のルールを決めておいた方が良いと思います。3円下がったら売るとか、1%上がったら買い戻す、あるいは引けで処分するなどといったルールと決めておかないと二進も三進もいかなくなってしまうと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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