土肥:働く側に求められる変化ですが、どういったことが必要でしょうか?
黒田:まず、自分自身をひとつの事業者として考えてみる。「株式会社じぶん」というスタンスで自分の現在地を確かめる方法があります。
人にはそれぞれ得意なこと、不得意なことがあるはずなので、自分はどの強みで勝負したいのか。それが決まれば、自分の価値を、どこで、どのように対価にしていくかという戦略を練る段階に進めます。
逆に、目指す方向にあわせて「どんなスキルを身に付けるべきか」「こうした経験を積んだ方がいい」と具体的な武装方法が決まっていく。
変化にうまく対応し、評価を得ている人の多くは、やはりこうした準備を早期から着手できていますね。でも、数的にはまだまだ少ない。だからこそ、やったもの勝ちのチャンスは大きいのですが……
土肥:準備をしている人が少ないと、転職活動をする際にミスマッチが生まれやすくなるのでは?
黒田:そうですね。武器にしたい自分の強みが明確で、それを生かすための勝ち筋が見えている人の場合と、なんとなく不安や焦りは感じながらも身動きがとれていないという人の場合は、ミスマッチが生まれる確率にも大きな差があります。
例えて言うと「6カ月後に自力でエベレスト山頂を制覇したい」と決まっている人と「いつかすごく高い山に登ってみたい」と言っているだけの人では、いつまでにどんな足腰のトレーニングをしておくべきか、どんな手順で必要なスキルを身につけておかなければいけないか、というスケジュールの具体性も実力が身に付くスピードも、違ってきますよね。それと全く同じです。
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