連日の大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年10月07日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8522.02△139.04

<TOPIX>736.88△10.61

<NYダウ>11123.33△183.38

<NASDAQ>2506.82△46.31

<NY為替>76.70▼0.08

欧州金融不安が薄れたことや底堅い経済指標も見られたことから買い直し、買戻しは続いて連日の大幅高

 ECB(欧州中央銀行)が流動性供給策の拡充を決定、EU(欧州連合)も各国が域内金融機関への資本注入に踏み切ると伝えられたこと、英国でも流動性の供給が行われたこと、また、米財務長官の金融不安否定発言などを好感して金融株を中心に大幅高となりました。朝方発表された新規失業保険申請件数もほぼ予想通りで改善がみられたことなどが好感された面もあると思われます。また、懸念された個人消費も9月の小売業の既存店売上高が予想を上回って伸びており、総じて売られ過ぎの修正も続き大幅高となりました。

 注目されていたECB理事会でしっかりと資金供給が示されたことで、懸念された欧州金融機関に対する資金面での不安が薄らぎ、足元の景況感もしっかりとしていることが確認され、買い直しにつながったものと思います。まだ、週末に雇用統計の発表を控えていることや来週以降企業の四半期決算の動向などもみえてくるなかでの不安要因も多いのですが、とりあえずもろもろのことが「思ったほど悪くない」というような雰囲気になってきているのだと思います。

 個別には元最高経営責任者(CEO)が死去したと伝えられたアップルは小幅安、前日のM&A(合併・買収)騒ぎが一段落となったヤフーは軟調、投資判断の引き下げのあったエクソン・モービルやシェブロンも小幅安となりました。9月の既存店売上高が予想を上回ったターゲットやサックスが大幅高、ギャップやウォルマートも堅調となりました。個人消費が好調ということもあり、景気敏感銘柄を買い直す動きも見られ、キャタピラーやフォード・モーター、アルコアが大幅高、GE(ゼネラル・エレクトリック)も高くなりました。金先物価格も高くパブリック・ゴールドは大幅高、モンサントも大幅高となるなど商品相場高を好感する動きもありました。金融不安が薄れたことからバンク・オブ・アメリカが9%近く上昇したのを筆頭にJPモルガン・チェースやシティグループなど、金融株は軒並み大幅高となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高や為替の落ち着きを受けて買いが先行、ハイテク銘柄などが買戻しを交えて大幅高となり、指数を押し上げ、値持ちの良い展開となりました。寄付きの買いが一巡となった後も根持ちは良く、円高にも反応はしなかったのですが、積極的に買い上がる動きにも乏しく、方向感のない展開となりました。大幅高ながらも売買高は少なく、相変わらず盛り上がりに欠ける展開となりました。

 昨日に続いて米国株高や為替の落ち着きを受けて堅調な展開が期待されます。ただ、米雇用統計の発表や中国の連休明けを控えた3連休の週末と言うことや日銀の金融政策決定会合の結果発表もあり、波乱含みとなりそうです。ユーロ安が一段落となったことで売られすぎたハイテク銘柄などの修正は続きそうで市場全体も強含みではあるのでしょうが、手仕舞い売りなどもあり、上値も限られそうです。

 引き続き8500円〜600円水準の節目での上値を試す動きとなりそうです。3連休を控えた週末ということで手仕舞い売りも懸念されますが為替次第ということでしょうが、8500円〜600円水準での動きとなりそうです。8500円〜600円を中心として底値固めとなるのか、上値の重さを確認するのかは来週の動きということになりそうです。欧州金融不安が薄れ、為替も落ち着いてきたことから底堅さもみられると思います。

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