なぜ男性ファッション誌『smart』は売れているのか(前編)仕事をしたら“若者はナゾ”だった(3/5 ページ)

» 2011年10月14日 08時16分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

土肥:ここに他社の男性ファッション誌が並んでいます。他誌の表紙は男性タレントを起用しているのに、『smart』はAKB48。しかもAKB48が掲載されている表紙は、9カ月連続とか(2011年11月号現在)。

太田:表紙については2009年から、ほとんど女性を起用していますね。もちろん男性タレントを起用するのが、ダメというわけではありません。ただ表紙の男性タレントが着ている服に、読者はかなり左右されてしまいます。例えば黒のスーツにネクタイ……となれば、そうした着こなしを好まない人にはなかなか雑誌を手にとってくれなくなります。

土肥:巨人の原監督インタビューを掲載している号もあります(2011年7月号)。スポーツ誌にプロ野球の監督インタビューを掲載するのは当たり前ですが、ファッション誌に載せるのは珍しいのでは?

太田:ですね。しかもシーズン中に掲載したので、読者も驚かれたのではないでしょうか。でも原監督のインタビュー記事を掲載することで、これまで『smart』を手に取ってくれなかった巨人ファンにも読んでいただけるようになりました。

 多くの男性はいつもファッションのことばかりを考えているわけではありません。女の子も好きだし、ゲームも好き。スポーツが好きな人もいれば、アートが好きな人もいる。先ほども申しあげましたが、「読者はファッションだけが好き」という前提を疑いながら、雑誌を作っています。

『smart』9月号

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